2023.05.05 08:45
浦戸湾の魅力を再発見 龍馬記念館で特別展 7/2まで
楠永直枝「種崎と浦戸湾」(1930年代=高知市の昭和小学校所蔵)
古来から海上交通の要衝だった浦戸湾。「土佐日記」の影印本には、都へ帰る紀貫之が「おほつ(大津)」から「うらど(浦戸)」に向かったことを明示している。
絵の題材にもなり、幕末―明治期の絵師、河田小龍が架橋して間もない青柳橋周辺を描いた「吸江図」や、昭和初期まで活躍した楠永直枝の「種崎と浦戸湾」などからは、湾の風景が土佐の画人に魅力的に映っていたのが分かる。
板垣退助のトランクなど浦戸湾の各所とゆかりのある人物の品物などを展示している特別展(高知市の県立坂本龍馬記念館)
展示を担当した河村章代学芸員は「浦戸の地は古来から土佐の要所であり、県民に親しまれてきた。さまざまな資料から歴史と美しさを知ってもらい、魅力を再発見してほしい」と話していた。(久保俊典)