2023.02.14 08:35
命燃やし老梅咲く 高知城
頭をもたげた竜のような白梅(高知城の梅の段)
高知城の梅林で、1本の老梅が見事な白花を咲かせている。木は根元から折れて、ぼろぼろの樹皮で辛うじてつながっている状態。命を振り絞るように、かれんな花を咲かせている。
高知城一帯が公園として整備されたのは1874(明治7)年。かつて、やぐらなどがあった天守西の「獅子の段」には梅が植えられ、「梅の段」として長く親しまれてきた。高知城管理事務所によると、近年180本ほどあった梅の多くは〝高齢化〟が進み、スプリンクラー設置といった防災工事もあって、160本ほどに減らしてきたという。
この老梅が植えられた時期ははっきりしないが一見、枯れてしまっているよう。それでも毎年、わずかに新しい枝を伸ばし、つぼみを付け、花を咲かせる。毎日、散歩に訪れるという男性は「この木はすごい。見たら元気になるでえ」。
老いさらばえど、ひと花、咲かせましょうぞ―。(森本敦士)