2022.12.27 08:40
「感謝するほかない」―高知(ここ)に住まう 第5部 「支える家」の風景(8)
地域改善対策で建った住宅に暮らす女性。「人を頼って、頼られて、の人生やった」(高知市内)
高知市内の一角。西日の差す一戸建て市営住宅の窓辺で、女性(81)が半世紀の歩みを振り返る。「人のつながりや温かさを知った。ここに来て本当によかったなぁ思うてます」
市外で暮らした30代、当時の夫とその両親との関係に悩み抜いた。ある夜。ふとわれに返ると、どこをどう通ってきたのか、同市浦戸の浦戸大橋の欄干から身を乗り出していた。
「あと1分もあれば足が柵を越えていた」。そこに1台のトラックが通りかかる。飛び出てきた運転手の男性に抱きかかえられた。なぜそんな行動をしたのか自分でも分からない。ただただ、涙が流れた。…