2021.07.17 08:55
「竜とそばかすの姫」公開 高知市で初日からファン続々「見慣れた場所がたくさん」
「竜とそばかすの姫」が上映スタート。初日から多くのファンが訪れた(高知市秦南町1丁目のTOHOシネマズ高知=佐藤邦昭撮影)
映画は、高知の田舎で暮らす女子高校生のすずが主人公。母を亡くしたショックで大好きな歌を歌えなくなっていたが、ある日、50億人が集うネット上の仮想世界に分身の「ベル」として参加。世界中の人気者になったところに突然、謎の存在「竜」が現れて…、という少女の成長の物語。16日未明には第74回カンヌ国際映画祭で世界最速公開され、細田監督も出席。上映後、10分以上のスタンディングオベーションが続くなど、注目を集めている。
劇中では、県内の自然豊かな風景が何度も登場。予告編で公開されていた高岡郡越知町の浅尾沈下橋や、高知市の鏡川などに加え、あんな場所、こんな場所も。
初回の午前9時からの上映を楽しんだのは183人。目を潤ませて劇場から出てきた、香美市の会社員、中山杏奈さん(33)は「初日に見たくて休みを取った。歌声もストーリーも感動的で、高知の景色もきれい。今日もう一度見よう」と感無量の様子。
その後もファンが続々。仕事の休みに合わせて来たという須崎市の公務員、中岡祐二さん(43)は「根っからの細田ファンです。何と言っても映像がきれいで、高知の景色もさすがの再現度」と大喜び。「思っていた以上に高知の風景が出てた」「ハンカチ持って来ちょって良かった。全俺が泣いた。感動した」。映画のロケ地となっている、吾川郡いの町のお年寄りが集団で訪れる姿も見られた。
同館では、新作は通常1日5回上映だが、「竜そば」は4スクリーンで計17回上映(土日は19回)。梶原徹也支配人(39)は「ご当地映画ということで気合を入れています」。初日の午後8時以降のレイトショーに400人超の予約が入っているそうで、「『鬼滅(きめつ)の刃(やいば)』のような勢いを感じる。動員数全国1位を目指したい」と、さらなる伸びに期待していた。
映画は、全国416館で上映中。(福井里実)