2021.01.09 08:42
追跡・白いダイヤ~高知の現場から~第一部 採捕(6)突如、ゴールドラッシュ
今では絶滅の危機にあるとされるシラスウナギだが、昔はそこかしこで採れた。
昭和の初めごろ、四万十川では「白布を流したようなシラスの川上り」が見られた。地元の人は「そうめん」と呼んでそのまま鍋に入れて食べていた。
1960年代の仁淀川でも「冬に河口を走ったら、シラスで車がスリップしよった」。長年シラスを買い付けている70代の仲買人がそう振り返る。
春にアユの稚魚が川を遡上するように、冬にシラスが採れるのは当たり前だった。漁に携わる人は漁協の組合員ら一部に限られ、1969年の高知県内の採捕許可は220人にとどまっていた。
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そんな中、突如としてシラスの「ゴールドラッシュ」が湧き起こった。
写真はちょうど半世紀前の1971年1月。物部川の河口はウエットスーツを身にまとい、網を持った人であふれている。…