

「闇ルートで県外に流せば、1キロ400万円の時も」…。近年、採捕量の激減から取引価格が高騰するニホンウナギの稚魚、シラス。「白いダイヤ」と呼ばれ、人々の欲望を引き付ける。全国的に密漁や闇取引が横行する中、仁淀川や四万十川っという全国屈指の好漁場を抱え、「日本で1番採れる」という高知から、謎の多いシラス漁と流通の実態に迫る。(高知新聞取材班)
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シラスウナギの光と闇
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- シラスウナギの光と闇
- 昨年12月7日の日没直後。高知県四万十市名鹿(なしし)の高台に上ると、目の前に幻想的な光景が広がっていた。…
- 2021.01.03
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許可はおいしい権利
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- 許可はおいしい権利
- 「あっ、こら!」 昨年12月上旬。四万十川河口の真っ暗な岸壁で、近所の大工、石川明男さん(63)が…
- 2021.01.04
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採るもんは、静か
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- 昨年12月中旬。記者が四万十川河口に着いたのは日付が変わる直前だった。車の外は気温1度。…
- 2021.01.05
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紅白らみゆう場合か
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- 紅白らみゆう場合か
- 新型コロナウイルスに振り回された昨年、最後の夕日が沈んだ。大みそかの仁淀川河口。…
- 2021.01.06
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強い人間が、稼ぐ
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- 強い人間が、稼ぐ
- 元日の夜。仁淀川河口は大きな満月に照らされ、浜砂利に自分の影がくっきり落ちていた。三脚を構え、波打ち際にカメラを向ける。すると―。…
- 2021.01.07
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突如、ゴールドラッシュ
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- 突如、ゴールドラッシュ
- 今では絶滅の危機にあるとされるシラスウナギだが、昔はそこかしこで採れた。昭和の初めごろ、四万十川では…
- 2021.01.09
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春野が全国の養鰻変える
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- 春野が全国の養鰻変える
- 「高知の養鰻(ようまん)じゃあ、わしが一番おじいかのう」高知市春野町森山の自宅横にある養殖池を訪ねると、…
- 2021.01.10
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他にはない仕組み
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- 他にはない仕組み
- 高知県のシラスウナギを取り巻く状況は、1970年代の「ゴールドラッシュ」と、ハウス養鰻(ようまん)の普及で激変。…
- 2021.01.11
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表と裏 生まれた二重価格
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- 表と裏 生まれた二重価格
- 「小指のないおんちゃんとか怖い人がいっぱい来て、どうなることかと思うた」シラスウナギの管理に関わった…
- 2021.01.12
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捕まっても10万円
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- 捕まっても10万円
- 高知から南東へ約2千キロ。太平洋のマリアナ海溝あたりで生まれるとされるシラスウナギは、冬から春にかけ日本列島にやってくる。…
- 2021.01.13
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ガサや、動くな!
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- ガサや、動くな!
- 「トントン、トントントン」 シラスウナギの禁漁期間だった2019年12月上旬。…
- 2021.01.15
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万じゃない、億が動く
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- 万じゃない、億が動く
- シラスウナギの密漁を取り締まる高知県漁業管理課のベテラン職員が言う。「密漁者は10年ほど前まで県内の人間ばっかりやった…
- 2021.01.16
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用心棒、取引に触手
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- 用心棒、取引に触手
- 高知県内暴力団とシラスウナギの接点ができたのは半世紀ほど前。シラスの価格が急騰し、…
- 2021.01.17
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飯のタネ、手放さん
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- 飯のタネ、手放さん
- 半世紀前、仁淀川河口の密漁者を排除するため、暴力団に現金を渡したシラスウナギ漁師ら。地元の年長者はこう主張したと伝わる…
- 2021.01.18
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闇が介在できる余地
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- 闇が介在できる余地
- 東西713キロの海岸線を持つ高知県は、黒潮に乗って北上するシラスウナギを迎え入れるような形状をしている。…
- 2021.01.19
