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2021.09.28 08:35

龍河洞 神の壺「発見記」―そして某年某日(9)

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神の壺を見る南耕一さん。祖父の霞さんは集落の仲間と未知の道を進み、弥生式土器や出口を発見した(香美市の龍河洞=いずれも山下正晃撮影)

神の壺を見る南耕一さん。祖父の霞さんは集落の仲間と未知の道を進み、弥生式土器や出口を発見した(香美市の龍河洞=いずれも山下正晃撮影)


さまざまな人や風景の「ある日」「そのとき」を巡るドラマや物語を紹介します。

逆川住民の“突破劇”
 香美市土佐山田町逆川の龍河洞。中の岩道を10分ほど登ると、「記念の滝」が現れる。高さ11メートル。ごう音が響く。

 かつて人々を拒んだ未踏の大滝。初めて乗り越えたのは海南中(現・小津高)の教諭で、国内の洞窟探検の第一人者となる山内浩さん。

 90年前の1931年6月7日。同僚や生徒と洞内の悪路やがけを2時間かけて進んだのち、この大滝に到着。手作りの板ばしごを継ぎ足して立て、猛烈な水に打たれて登った。滝の上には小空間があり、コウモリの羽音とともに、美しい鍾乳石群を見る。

 滝の上から山内さんは叫ぶ。「オーイ、登ったよー」。名勝龍河洞、これが「開洞」の瞬間だ。

 山内さんは著書「地底の神秘を探る」に記す。しかし、まだここは「玄関」にすぎない。このさらに奥に、聖なる大広間が隠れていた。…

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