2021.09.27 08:35
ただ今修業中 パン店責任者・坂本光太郎さん(31)田野町
「良いパンができると楽しい」と話す坂本光太郎さん(田野町の「小松ベーカリー」)
午前8時の慌ただしい工房は、小麦の香りと、むわんとした熱気に満ちていた。
安芸郡田野町の旧道沿いに立つ1952年創業の「小松ベーカリー」。坂本さんが窯から鉄板を取り出す。並んでいたのは長さ20センチほどのフランスパン。一つを手に取り、記者に「どうぞ」。促されるまま、ぱくり。外はパリッと香ばしく、中はもっちりふわふわ。「うまいでしょ?」。坂本さんがにんまり目を細めた。
次に焼けたのは、細かくカットしたパイナップルを生地に混ぜた「パインパン」。地元の小学校で長年、給食として提供されていた看板商品だ。
袋詰めしたパンは同町の道の駅「田野駅屋」や町外のスーパーに並ぶ。
責任者として製造に携わり約1年。「技術不足。ぺーぺーのぺー」と謙遜するが、「一人でも多く『おいしい』と言ってほしい」と思いは熱い。…