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2021.07.10 08:38

室戸の深海生物を、漁師と埼玉の高校生が共同研究 アマクサボタンエビなど高知県初確認の10個体採取

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室戸の深海生物を共同研究する松尾拓哉さん(右)と饗場空璃さん=写真はいずれも室戸沖

 室戸市の漁師と埼玉県の高校生が、室戸沖で深海生物の共同研究に励んでいる。これまでに高知県で初確認の10個体を採取し、中には世界で2例目の珍しいエビも。2人は学会への論文発表に向け、研究に一層熱がこもっている。

 室戸市佐喜浜町の漁師、松尾拓哉さん(30)と埼玉県戸田市の高校3年、饗場空璃(あいばそらり)さん(18)。

 幼い頃から海の生き物に興味を持っていた饗場さん。全国の漁師から譲り受けるなどした約80種、90匹を自宅で飼育している。海洋生物の研究者を目指しており、カニの分布や形態的特徴などに関する論文も発表している。

松尾さんが籠漁で深海生物を採取して饗場さんに届ける

 カニ籠漁でオオグソクムシなどの深海生物を取る様子を発信する松尾さんと、SNSを通じて知り合った饗場さんは、2020年に初めて室戸を訪問。松尾さんの船に乗り、「未知の生物や面白い発見があるかもしれない」と室戸の深海に興味を持った。ジオパーク推進協議会の助成金を受けて、20年7月から2人で研究をしている。

 テーマは「室戸の深海にはどんな生物がいるか」。饗場さんは、松尾さんから送られてくる深海生物を飼育し、生きた姿などを記録していた。

 1年間で採取したのは81個体で、エビやヤドカリなどの10個体は論文や研究者の話によると高知県では初確認。世界で2例目の確認というアマクサボタンエビや、まだ和名のついていない個体なども見つかっている。

 松尾さんは「驚くような発見があるかもしれない」と今後の研究に期待。受験勉強をしながら研究を続ける饗場さんは「室戸は港を出て10分ほどで深海があり、いい状態で持ち帰って研究できる魅力がある。今後も室戸の深海の研究を続けていきたい」と話している。

10日に発表会
 室戸市役所で10日午前10時から、饗場さんら7人の研究者によるオンライン発表会が開かれる。饗場さんの発表は午後1時40分から。動画投稿サイトユーチューブでも配信される。(板垣篤志)

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