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2021.05.19 08:38

フォっトけないす 雪の日も立ち続けるお巡りさん!?3姉妹が託した交通安全(梼原町)

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国道197号沿いに立つ警察官人形(写真はいずれも梼原町飯母)

気味悪い?威厳ある?国道沿いの警察官人形
 国道197号を車で走り高岡郡梼原町の中心部を過ぎ、トンネルを抜けてすぐ右手。誰かいる。「人? えっ警察官?」。減速してよく見ると、お巡りさんの人形。実は彼に〝辞令交付〟したのは、地域の交通安全を願う3姉妹だった。

 身長は170センチほどで頑丈なプラスチック製。一昔前の黒い制服姿で、やや右向きの頭にはヘルメットを着用している。白い顔と黒い唇はパトカーツートンを意識しているのだろうか。少し気味が悪い…いや、威厳たっぷりだ。

 近くの民家の女性(63)は「ずっと前からある。〝お巡りさん〟がいるので心強い」。2003年6月の町広報によると、町民3人の寄付を受けた交通安全町民会議が購入して設置したらしい。

遠くからでもよく目立つ

 「そうそう、懐かしいねえ」。寄付者の一人で、民宿を経営する西村美子さん(92)が笑顔で振り返る。1960年代から町交通安全母の会メンバーとして活動し会長も務めた西村さん。2002年ごろ、国道197号の愛媛県側に立っていた警察官人形を見て、「交通安全にこれはいい」とひらめいた。

 同年、高知国体のアーチェリー会場になった同町にはたくさんの選手らが宿泊。西村さんの宿も大いににぎわった。この恩返しをしようと、同じく町内で民宿を経営している姉の河野富恵さん(95)と妹の伊藤辰子さん(90)にも呼び掛け、「町内にも人形を」と寄付。国道197号のほか、後別当の国道440号沿いにも1体設置された。

 しかし昨年、西村さんが後別当を訪れると、人形が〝失踪〟していた。周辺住民によると数年前まではあったというが詳細は分からない。「どこへいったろうか」と残念がる。

雪の日も立ち続ける

 西村さんが最初に見た愛媛県の人形は今も国道沿いに健在。そして、相棒はいなくなったが、国道197号の人形も「働き方改革? そんなの関係ねえ」とばかりに春夏秋冬、24時間、往来に目を光らせる。「お巡りさんの人形があれば気が引き締まる。寒い日も暑い日もおってくれてありがたい」。西村さんの信頼と愛着は変わらない。(須崎支局・富尾和方)

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