2021.04.05 08:36
四国霊場29番札所・国分寺、ボタンあでやか 赤、紫、ピンク...南国市
境内ではアジサイやハギなど四季折々の花が楽しめる。この時季の主役は、前住職の林広裕さん(84)が20年ほど前から植栽してきたボタンで、中門から納経所へと続く参道に約50株。透けるような花びらが幾重にも重なり、コケの緑や春雨よけの和傘とともに風情を醸し出している。
今年は純白の花が3月下旬に開花した。例年より2週間ほど早く、桜と歩みを合わせるかのよう。現住職の妻、林声子さん(54)は「いつもは4月末まで楽しめるところ、ぬくい日が続けば中旬まで持ちますかどうか」と話す。
原産地の中国では、唐代以降、「花の王」とも称されるボタン。境内に咲き始めたオンツツジやサツキを従えるような貫禄で、遍路の巡礼旅に色を添えている。(横田宰成)