2021.04.01 08:37
土佐ジローの宿、復活へ 安芸市「はたやま夢楽」がクラウドファンディング
安芸市の畑山地区で特産地鶏土佐ジローを飼育・加工販売する「はたやま夢楽(むら)」(小松圭子社長)が来春、地元で新たな宿泊施設を開業しようと、クラウドファンディング(CF)で資金を募っている。また今月中旬には市中心部でジローの親子丼などを提供する飲食店も始める。
同社は畑山地区で土佐ジローの料理を提供する宿泊施設「はたやま憩の家」を運営してきた。しかし施設修繕などを巡り市と折り合わず指定管理者から撤退、3月21日に営業を終了した。
全国にファンがいる人気施設で、撤退発表後は予約が殺到。訪れた人からは「畑山にまた宿を造って」「営業を続けてほしい」と熱烈な要望があったという。小松社長は「ジローの味はもちろん、畑山で過ごす時間をお客さんは楽しんでくれている」と新たな宿建設を模索。来年3月の開業を目指し準備に踏み出した。
宿の名称は「ジローのおうち」を予定。「―憩の家」からすぐ北の小高い丘の上に建設する。1日2組(1組4人以内)まで宿泊を受け入れる。老朽化した旧施設では不便だった風呂やトイレの環境も改善する。
事業費は約6千万円。CFは800万円を目標に、大手CFサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」で5月末まで受け付ける。3月28日にスタートし、さっそく県内外の約50人から約130万円の寄付が集まったという。
また飲食店は、宿のオープンまで従業員2人の雇用を維持するため、同市久世町の商業施設「SmileAki(すまいるあき)」内に開業予定。ランチ営業で親子丼や唐揚げを提供するほか、精肉の販売も計画している。
小松社長は「CFを通じて新たな宿への期待を感じ、励まされる。市街地への出店では新たな土佐ジローファンを掘り起こしたい。不安もあるが楽しみもいっぱい」と意欲を見せている。(森部智成)