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【自粛の緩和】まだまだ油断できない

(2020.05.08 08:00)


 新型コロナウイルスとの闘いは、新たな局面に入ったといえる。
 政府は5月6日までとしていた特措法に基づく緊急事態宣言の期限を5月末まで25日間延長した。
 重点的な対策が引き続き必要な13の「特定警戒都道府県」は、これまで通り人と人の接触8割減を求めている。
 それ以外の感染が抑制されている高知など34県は、外出自粛や施設使用制限の一部を緩和。感染拡大の防止と社会・経済活動の維持との両立に配慮した取り組みへの移行を容認した。
 これに伴い高知県の浜田省司知事は、飲食業者らへの休業・営業時間短縮要請をきのうから解除。休館中の県立施設も近く再開する。
 既に「自粛疲れ」が募っている県民は多いだろう。確かに、これまでの国民、県民の努力で全国の感染拡大は鈍化傾向にあり、県内の感染確認も途切れてはいる。
 しかし、相手は未知のウイルスである。PCR検査数が少ない日本は感染の全体像が見えづらく、終息に欠かせないワクチンや治療薬も未開発だ。警戒が緩めば、いつ感染拡大に転じてもおかしくない。
 まだまだ油断できる段階ではないという自覚を共有したい。当面はマスクの着用や手洗い、密集や密接、密閉を避けるといった行動を続けなければならない。
 一方、新たな局面の県の対応には中途半端さもある。
 例えば、高知県は飲食業者らへの休業・営業時間短縮の要請を解除しながら、県民には引き続き出入りの自粛を要請している。
 営業自粛を求めない以上、県は追加の「協力金」は支給しない。実際には利用の自粛を求め続けている中で、事業者がより苦しむことにならないかが心配だ。
 背景には、後手後手に回ってきた国の対応もあるのではないか。
 休業要請に対する協力金に関しては、自治体の財政力の違いで格差が生じている。高知県は30万円だが、東京や大阪などは最大100万円だ。
 全国知事会は財源となる臨時交付金の増額を求めてきた。国の統一的な補償を求める意見もある。しかし政府の反応は鈍く、ここまでは地方に丸投げといわざるを得ない。
 中小企業への支援もスピード感を欠く政府は、経済の基盤が傷つき「出血」している今、「止血」の対策に全力を挙げるべきだ。
 また、根本的に地方の経済が息を吹き返すには、都道府県をまたぐ移動の自粛も求めてきた緊急事態宣言そのものの動向が関わろう。
 宣言を解除する「出口戦略」の欠如が批判されてきた政府は、ようやく14日をめどに判断基準を作る考えを示している。どうなれば、どの程度の社会活動が再開できるのか。客観的な指標について、今度こそ徹底した説明が求められる。
 国民、県民の不安や不満はなお大きい。必要なのは「出口」に向けた道筋の可視化と共有である。

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