【診療報酬改定】医師の負担軽減を着実に|高知新聞

高知市

▼高知のニュース

社説

【診療報酬改定】医師の負担軽減を着実に

(2020.02.17 08:00)

 治療や薬などの公定価格である診療報酬について、厚生労働省は4月からの改定内容を決めた。
 勤務が過酷な救急医療で実績の高い病院への報酬を手厚くするなど、医師らの働き方改革の推進が柱となっている。その分、患者の負担は増すだけに、改定により医療環境は改善されるのか。厚労省は効果を検証しなければならない。
 労働組合「全国医師ユニオン」の2017年の調査によると、救急科の医師の1カ月の残業時間が94・4時間、産婦人科が82・7時間。ともに「月80時間」の過労死ラインを超えていた。
 24年度からは医師の残業時間についても、罰則付きの上限規制が始まる。地域医療を担う特定の医療機関や研修医の上限が最大で「年1860時間」、一般の医師は「年960時間」となる。
 それでも年1860時間は過労死ラインのほぼ2倍に当たるなど、一般労働者と比べて上限設定が高い。厚労省研究班の調査では救命救急機能のある病院のうち、84%に残業時間が年1860時間を超えるとみられる医師がいる。勤務実態には厳しいものがある。
 そこで今回改定では、救急車とドクターヘリによる患者搬送件数が年2千件以上の病院を対象に、患者の入院時に5200円を上乗せする。患者の窓口負担はその1~3割で、最大約900病院が見込まれている。年千件以上の病院でも、夜間や休日の患者受け入れ態勢を強化した場合に報酬を増やす。
 紹介状なしで大病院を受診した患者から、診察代とは別に追加料金を徴収する制度も拡大。対象を現在の400床以上から200床以上に広げる。追加料金は初診で5千円以上、再診で2500円以上でこちらは全額、患者負担となる。
 対象病院は増額分を新たな医師や職員の確保など、労働環境の改善に充てることが求められる。診療報酬には窓口での支払いだけでなく、税や保険料など広く国民負担が伴う。それだけに国は改善状況をチェックし、負担を求めた国民に説明しなければならない。
 診療報酬を増やしても働き方改革の「特効薬」とはならない。高齢化が進むとともに医療ニーズは高まっており、医師や職員らの獲得競争が激しくなっているからだ。とりわけ地方では、医師の不足や偏在が言われ続けている。
 医師の残業規制が始まれば、各病院はスタッフの増員や勤務シフトの見直しを求められる。人材不足がさらに深刻化する恐れがあろう。
 今回の改定では、電子カルテの入力や処方箋の作成などを医師に代わって行う補助職員を配置したり、看護職員を夜間配置したりした場合の報酬も手厚くする。
 医師らの過重労働は医療事故につながりかねない。負担軽減の実効性を高めるとともに、都市と地方の医療格差が拡大しないよう、目配りの利いた改革が求められる。

カテゴリ

社説

▼特集

▼アクセスランキング

01.

沖の島中学校の教員感染 高知県で新たに2人 計38人に

02.

高知県内1日最多7人感染 新型コロナ計33人、初のクラスターも

03.

高知県内で新型コロナ感染3人確認 いずれも軽症 計36人に

04.

高知市のコロナ感染、親族間で5人 勤務のコンビニは休業 

05.

高知市など7市町も休校 小中高140校 県判断に沿う 4/13~24

実績7000件超!見本掲載1400超!大手も利用。わかりやすい専門独自の体制 www.aaa-bbb.com