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【秋元議員の保釈】まず国会が真相究明を

(2020.02.14 08:00)

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業を巡る汚職事件で、疑惑のキーマンである衆院議員の秋元司被告=自民党離党、収賄罪で起訴=が保釈された。
 東京地裁が保釈を認めた決定を不服とする、検察側の準抗告を棄却したことによる。逮捕から50日間、身柄を拘束された秋元被告は、起訴内容を全面否認して、一貫して無罪を主張してきた。
 捜査では、日本でのカジノ参入を目指す中国企業が、秋元被告以外にも5人の衆院議員に各100万円を贈ったと供述している。ただ彼らには収賄罪の構成要件である「職務権限」がなく、立件は見送られた。
 一方で秋元被告は、IR担当の内閣府副大臣と観光施策所管の国土交通副大臣を兼務していた。中国企業との関係など、捜査は終結しても疑惑はぬぐえていない。
 早期の保釈は東京地裁が、逃亡や証拠隠滅の恐れが低いと判断したとみられる。否認事件では保釈は認められにくいとされるが、被告の身柄を長期間拘束することには、海外を中心に「人質司法」との批判も根強くある。裁判所の総合的な判断だろう。
 捜査終結で事件の舞台は公判に移る。中国企業による政界工作はどこまで明らかになるのか。政府機関への働きかけはなかったのかなど、分かっていないことも多い。
 その前に、真相究明に努力しなければならないのが国会である。
 IR事業は安倍政権が成長戦略の柱に位置づける政策だ。にもかかわらず事件発覚後、首相は国会冒頭の施政方針演説で一言も触れず、政権中枢もまるでひとごとのように説明責任を果たそうとしない。
 衆院事務局によると、秋元被告は保釈後も国会に出席でき、被告も登院する意向だという。野党側は秋元被告の証人喚問や関係議員の参考人招致も要求する構えだ。
 秋元被告は国会に出るのなら、正々堂々と証人喚問に応じるべきだ。身の潔白を国民に丁寧に説明するのが国会議員の役目だろう。
 その点で心配なことがある。昨秋の臨時国会では2人の閣僚が「政治とカネ」の問題で辞任した。ところが2人は長く公の場に姿を見せず、その後も記者会見などできちんとした説明をしたという話は聞かない。
 首相は不祥事が起こるたびに「任命責任は私にある」と言う。あとはその場しのぎの本人任せでは、自民党総裁の責任は果たせまい。都合が悪いことは隠したいという、政権の体質があるとすれば問題だ。
 1月の共同通信の世論調査では、IR整備を「見直すべきだ」との回答が70%を占め、「このまま進めてよい」は21%だった。陰で巨額の利権が動くこの事業を、国民は不安の目で見ている。
 その疑念を晴らすためにも、自民党は証人喚問に応じるなど、真相の究明に協力すべきではないか。それでこそ国民の国会への信頼回復につながろう。

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