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【高知短大閉学】多様な学び支え続けて

(2020.02.12 08:00)

 働きながら学べる高等教育機関として1953年に開学した県立高知短期大学(高知市永国寺町)で9日、閉学式が行われた。
 同短大の廃止は2013年に決まり、14年度を最後に学生の募集を停止。昨年9月に最後の卒業生を送り出していた。
 県民の勉学への意欲を受け止め、支えてきた「夜の学びや」。67年の歴史の重みを改めて感じる。
 旧高知女子大の校舎で夜間に授業を行い、若者から社会人、定年退職者らを受け入れてきた。卒業生の総数は5670人。県民にとっての存在の大きさは、名誉教授の森井淳吉さんが刊行した「高知短期大学と私」を読んでも分かる。
 「私の人生の原点」「学問と実践の必要性を体得」「人生の道しるべを得た」…。卒業生が寄せた回想記には熱い言葉が並んでいる。
 仕事が終わるとすぐ列車に飛び乗り、郡部から短大へ駆けつけた人。最終列車に間に合うよう講義が終わる前に退出する際、そっと一礼して駅へ走った人。講義の後も先生を囲み、経済学や哲学の話に熱中したこと…。師と出会い、友と出会い、学問と出合った日々は時間がたっても色あせることはない。
 一方で県などが廃止理由に挙げたのも、夜間短大に対する県民のニーズの変化だった。
 1970年代半ばには正規雇用の勤労学生が7割を超えた年もあったが、廃止前には2~3割に下がっていたとする。入学者のうち四年制大学への編入を望む学生が、半数以上を占めるようにもなっていた。
 「夜間公立短大の役割は終わったのか」。この問いへの確固とした答えはまだ出てはいないだろう。
 高知短大を巡っては、学生や卒業生らによる存続運動が10年近く続いた。閉学式でも「大学の葬式」の張り紙が見られるなど、卒業生らの複雑な思いがにじんだ。
 そうした思いも踏まえて大切なのは、「学びたい時に学べる」「県民の多様な学びの要求に応える」という高知短大の精神をしっかり引き継いでいくことだ。
 同短大の一部機能は、高知県立大の文化学部「夜間主コース」が担っている。短大の定員が120人だったのに対し、こちらは30人。2015年度に募集を始めて以降、倍率は2倍程度で入学者は10代が多い。今後もニーズに応じて、拡充など見直しも必要になってこよう。
 「学び直し」という点では、県が「公立中学校夜間学級(夜間中学)」の21年度の県内開校を目指している。戦後の混乱期に学校へ通えなかった人、不登校などの理由で義務教育を受けられなかった人、外国籍の人たちが学ぶ場所だ。
 世代も仕事も国籍も異なる生徒が集い、新たな人間関係を結んでゆく。これも貴重な学びに違いない。
 高齢化が進めば生涯学習への意欲はますます高まろう。それをしっかり受け止めるため、高知短大が築いた歴史と経験を生かしたい。

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