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【トランプ氏無罪】党派対立に終始した議会

(2020.02.07 08:00)

 トランプ大統領のウクライナ疑惑を巡る訴追条項について審議していた米上院の弾劾裁判が、無罪評決を出した。トランプ氏は罷免を免れたことになる。
 弾劾裁判は開始から1カ月にも満たないうちに、証人の召喚も行わずあっけなく幕を閉じた。「無罪ありき」の結論と言わざるを得ない。
 弾劾は憲法に違反した大統領を罷免する手段で、下院が訴追し、上院が裁判で有罪か無罪かを決める。現在、下院は野党民主党が過半数を握り、上院は与党の共和党が優位に立っている。
 下院は昨年12月、トランプ氏が(1)11月の大統領選を有利に戦うため、ウクライナに軍事支援の見返りとして、民主党有力候補のバイデン前副大統領の捜査を要求した「権力の乱用」(2)証言や文書提出を命じた下院委員会の召喚状を無視した「議会妨害」―の二つの条項で同氏を訴追した。
 弾劾裁判でトランプ氏を罷免するためには、上院議員100人のうち3分の2以上が「有罪」と判断する必要がある。
 評決では「権力の乱用」に有罪が48人、無罪が52人▽「議会妨害」では有罪が47人、無罪は53人だった。共和党から「権力の乱用」で1人の造反議員が出ただけで、ほぼ共和、民主両党の議会構成通りだ。
 党派対立がそのまま裁判に持ち込まれたといえる。その結果、真相解明への議会の努力は脇に追いやられ、疑惑は疑惑のまま残った。大統領の権力を監視するという議会の責任は放棄され、米国の三権分立を大きく傷つけた。
 上院でろくな審理がなされなかったことは、過去2例の弾劾裁判で実施された証人尋問が、共和党の反対でなされなかったことでも分かる。その代表がボルトン前大統領補佐官だ。事実を知る立場にあったが、政権を追われた。
 ボルトン氏は、近く出版する自著で、大統領が疑惑に直接関与していたと主張しているとされる。弾劾裁判への証人喚問に応じる姿勢も見せていたが、民主党の要求を上院共和党は認めなかった。
 米政治は11月に大統領選と、同時に上下両院選がある。その影響もあって、党派的対立が深刻化した面もあるだろう。共和党議員はトランプ氏への忖度(そんたく)一色に染まり、民主党も大統領を揺さぶる程度の追及で腰が引けている。
 そこには議会の良識や権威、個人より国益といった理念が入り込む隙はない。党利党略や個利個略で凝り固まった政治の分断。「超党派」不在で、政争の具と化した議会の姿に失望を禁じ得ない。
 1970年代のウォーターゲート事件で、ニクソン元大統領は弾劾裁判で訴追される直前に辞任した。議会に罷免される不名誉より、自ら身を引く道を選んだ。権威を失った議会の姿は国民の分断をさらにあおり、米社会の修復の道をさらに遠のかせたのではないか。

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