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【県東部にDMV】利用維持へ入念な準備を

(2020.01.15 08:00)

 線路と道路の双方を走れる車両「デュアル・モード・ビークル(DMV)」が2020年度内に、東洋町など県東部にお目見えする計画が進んでいる。
 導入を予定しているのは東洋町と徳島県海陽町を結ぶ阿佐海岸鉄道・阿佐東線。終着駅の甲浦(東洋町河内)を出た車両はレールを走る際の鉄車輪を引っ込めてバスとして国道55号を南進し、室戸市まで走る案が検討されている。
 鉄道の「空白地帯」だった県東南部に新しいスタイルの車両が走ることで、沿線から地域活性化に期待する声が上がっている。
 DMVとして本格的な営業運転は世界初とされ、鉄道ファンらも強い関心を寄せている。運行がスタートすれば、「乗り鉄」をはじめとしたたくさんのファンが訪れるだろう。
 その一方で、多くのローカル鉄道は経営が厳しい状況にあり、阿佐東線も例外ではない。
 高知・徳島両県や沿線自治体でつくる「阿佐東線DMV導入協議会」は、事業費を当初約10億円と見込んでいたが、安全設備の設置などで4億円近くアップしたという。
 車両代を含めて多額の費用を投入する。だからこそ、長い目で見た利用者の増加策や観光振興策を入念に練っておく必要がある。
 むろん利用するのは観光客だけではない。車の運転ができない地域のお年寄りらが使いやすい運行のあり方も事前に考えておきたい。
 導入するのはトヨタ製のマイクロバスを改造した全長8メートルの車両。運転士と立ち乗りを含めた定員は23人で、計3台運行する。現行のディーゼル車両と比較して燃費が良く、維持費の削減も期待できるのが特長という。
 同協議会が昨年末に発表したルート案は、甲浦駅を降りた車両は、むろと廃校水族館や室戸世界ジオパークセンターなどを経て、「終点」の室戸ドルフィンセンターへ向かう。土日祝日に1日1往復する計画だ。
 いずれも人気のスポットで、東洋町から室戸市へ足を延ばす観光客は増えるだろう。しかし、「観光の足」として使ってもらうには、この便数では心もとない。
 運転手の数や車両のやりくりが便数に関係しているのだろうが、そうした制約を逆に生かせないか。地域に泊まり、観光地を回ってもらう振興策が提案できるのではないか。
 DMV導入を機に、阿佐東地域の活力アップを考えようと東洋町と海陽町の観光・商工関係者らが昨年、組織を設けた。イベント企画や宿泊プランなどを検討しているという。さまざまなアイデアを出し合ってほしい。
 この組織には高知県の東部9市町村などでつくる県東部観光協議会も入っている。5年前の「高知家・まるごと東部博」では、広域で連携した取り組みが大きな経済効果を生んだ。今回も東部博と同様にチャンスだ。周遊観光のプランなどで地域をアピールしたい。

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