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住宅弱者に空き家を 高知出身・元厚労事務次官の村木厚子さんが支援組織会長に

(2019.12.23 08:45)


「不動産業と福祉は補い合う関係が求められる」と話す村木厚子さん(東京都渋谷区)
 賃貸住宅への入居を断られやすい単身高齢者や低所得者ら“住宅弱者”をどう支援するか―。高知市出身の元厚生労働省事務次官、村木厚子さん(63)が今夏、住宅弱者を支援する「全国居住支援法人協議会」の会長に就任。「住居が決まらないと福祉はなかなかスタートしない。全国の関係団体と連携し、借りたい人と貸したい人を結び付けたい」と意気込んでいる。

 高齢者だけの世帯や障害者や低所得者らは、孤独死や家賃滞納などへの懸念から住宅が借りにくい実態がある。一方で全国的に空き家が増えていることを踏まえ、政府は住宅弱者と空き家をつなげようと2017年に改正住宅セーフティネット法を施行した。

 「高齢者だけの世帯が増えており、このままでは家を借りにくい人も増えていく。障害者や刑務所出所者を含めた住まい支援の問題は国土交通省と厚労省の間(はざま)にあり、ずっと前に進まなかった」と村木さん。

 改正住宅セーフティネット法では、都道府県から指定されたNPOなどが「居住支援法人」として入居者の見回りなどを担う。居住支援法人向けに研修を行う全国組織も今年6月に発足。村木さんが就いたのはこの会長職。障害者の賃貸生活を支援する活動を知った厚労省時代の経験が、引き受ける後押しになった。

 「ある地域では、社会福祉法人が、精神科の医療機関を出た人のアパート生活を支えていた。部屋の見回りをし、家賃を滞納しないよう、家主に代わって集めていた。家主も障害者向けに増築しようと提案するなど、地域ですごくうまく回っていた」

 また、自身が厚労省文書偽造事件の冤罪(えんざい)被害を受けたのを機に、法務省による犯罪者の再犯防止対策に関わったこともあり、「刑務所からの出所者も居場所と(働く場所などの)出番があれば、再犯はぐっと減る。そういったお手伝いをしたい」と語る。

 2019年11月現在、居住支援法人は40都道府県271団体(高知県2団体)に増えた。しかし、住宅弱者を対象にした「登録住宅」は全国で約1万8千戸にとどまり、政府が2020年度末までに目指す17万5千戸にはほど遠く、高知県では全国最少の3戸しかない。

 村木さんは「制度の認知度が全国的に高まっていない」と指摘し、解決に向けて関係団体の連携を強めていく方針だ。

 「登録住宅にはリフォーム代が出るなど制度のメリットを、空き家所有者らにもっと知ってもらう必要がある。不動産業者と福祉関係者がかみ合った好事例を関係団体で共有し、行政にも協力を呼び掛けてこの制度を軌道に乗せていきたい」(安岡仁司)

 《ズーム》改正住宅セーフティネット法 空き家などの所有者が、住宅弱者向けの賃貸住宅として都道府県や中核市などに届け出る制度。登録条件は、高齢者らの入居を拒まないことや耐震性があることなど。登録住宅には耐震改修やバリアフリー化に最大200万円を助成するほか、低所得者の家賃を月額4万円まで補助するなどの支援策を盛り込んでいる。

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