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第73回県展 「押し花」工芸に仲間入り 初入賞者に三宮さん(高知市)

(2019.10.22 08:44)

工芸部門で褒状を受賞した「幾星霜」
過去の作品に囲まれ、「押し花をしている時は顔も声も違うと家族に言われる」と話す三宮要子さん(高知市愛宕町3丁目)
「自分の生きた歳月表現」
 「第73回県展」工芸部門で、今回初めて出品できるようになった押し花作品の入賞入選作18点が会場を彩っている。褒状を受賞し、押し花で県展初入賞者となった三宮要子さん(78)=高知市愛宕町3丁目=は、「入選できれば幸せと思っていたのに、賞なんて」と喜びに顔をほころばせた。
 
 押し花は、乾燥剤や脱酸素剤を下に敷き、専用の接着剤を使ってガラスなどで密封し空気を抜くことで素材の美しい色を長く保つことができる。
 
 県展工芸部門には「額装作品のガラス、アクリルなど使用不可」との規定があり、そうした作品はこれまで出品できなかったが、今回から「押し花など作品の一部と見なされる場合はガラスの使用可」と改定。県女流展でも同様に昨年から出品可能となった。
 
 三宮さんは24年前、県内で指導する片岡ゆかりさんらの展覧会を見て押し花に魅了された。「昔の押し花と言えば真っ茶色。生花がきれいな色で残るのが衝撃でした」。すぐ片岡さんの教室に入り、2年後にインストラクターの資格も取った。
 
 季節ごとに採れる草花や野菜、果物は乾燥させ、種類ごとに何年も保管している。
 
 初の県展。「幾星霜(いくせいそう)」と題した作品に、「日の目を見ていない古いお花で、自分の生きてきた歳月や人生を表現しよう」と思いを込めた。数年経たクリスマスローズの花弁を台紙に敷き、イチゴや大根、とろろ昆布など約10種類を配置。普段は風景を題材にすることが多いが、素材の色調などを踏まえ、デザイン性のある作品に。見事褒状を射止めた。
 
 審査員は「美術の表現ができている作品がそろっている」と押し花の出品作全体を好評価。三宮さんは「会場で押し花を見て興味を持ってくれる人がいれば」と期待も寄せる。
 
 押し花を始めた当初は義母の介護のさなかだった。「花のおかげで母に優しくできた。協力してくれた家族や片岡先生のおかげで今がある」と振り返る。
 
 創作は、自宅に仲間数人が集い和気あいあいと。「公募展は評価されると自信になるし、友達の作品を会場で見る楽しみもある。今の生きがいですね」
 
 県展後期(洋画、日本画、工芸、先端美術)は高知市九反田の市文化プラザ「かるぽーと」で開催中。会期は27日まで(無休)。開館時間は午前9時~午後7時(27日は午後5時まで)。(徳澄裕子)

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