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【目黒虐待死判決】根絶への取り組み加速を

(2019.09.18 08:00)

 東京都目黒区で昨年、5歳の船戸結愛(ゆあ)ちゃんが両親から虐待され死亡した事件で、東京地裁が、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親に懲役8年の判決を言い渡した。
 判決は元夫による心理的DV(ドメスティックバイオレンス)の影響を認めつつも、「責任を大幅に減じる事情と見ることはできない」と指摘した。母親の責任を厳しく問うた判決といってよいだろう。
 量刑の重さを巡っては今後論議になる可能性もあるが、誰にも助けを求められず、絶望の中で亡くなった結愛ちゃんのことを思うと胸が張り裂けそうになる。
 その命は社会のセーフティーネットによって救えた命だったことも改めて重く受け止めたい。虐待の防止、早期発見への仕組みづくりを一層、加速させなければならない。
 判決によると、母親は結愛ちゃんに十分な食事を与えず、元夫の暴行も容認。医療措置も受けさせず、肺炎による敗血症で死亡させた。
 元夫や母親の責任は重いが、関係機関の対応も糾弾されてしかるべき事件だ。改めて問題点を振り返っておきたい。
 結愛ちゃんは亡くなる1カ月余り前まで香川県に住んでいた。地元の児相が2回にわたり結愛ちゃんを一時保護し、県警も元夫を傷害容疑で書類送検していたが、都の児相に十分引き継がれなかった。緊急性の高さが伝わっていれば、最悪の事態には至らなかったのではないか。
 都の児相の対応にも問題があった。家庭訪問した際に母親に結愛ちゃんへの面会を断られ、結愛ちゃんはその後、小学校への入学説明会にも出席していなかった。
 ここで対応を強化し、出頭要求や立ち入り調査をしていれば、事件を防げた可能性がある。結局、児相は結愛ちゃんに一度も接触できないまま最悪の事態が起きた。
 事件を受け政府は、児童虐待防止法や児童福祉法を改正し、親による子どもへの体罰を禁じた。児相の一時保護など介入機能の強化や、転居先でも関係機関が速やかに情報共有することを定めた。
 改正法は一部を除いて来年4月に施行される。政府は児相に配置する児童福祉司の増員も決めた。
 問題はこうしている間にも虐待死の悲劇が続いていることだ。
 ことし1月、千葉県野田市で10歳の栗原心愛(みあ)さんが死亡し、父親が逮捕された。やはり夫婦間でDVがあり、沖縄県糸満市からの転居後に悲劇が起きた。夫婦間のDVと子どもへの虐待の関係を、より詳しく探る必要があるだろう。
 先月には鹿児島県出水市で4歳の大塚璃愛来(りあら)ちゃんが死亡し、母親の交際相手の男が逮捕された。児相、市、警察の間の連携不足が指摘されている。
 これ以上、同じような対応不足を繰り返してはならない。関係機関はもちろん、社会全体で緊張感とスピード感を持って虐待根絶に取り組む必要がある。

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