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【障害者の防災】情報提供をきめ細やかに

(2019.09.17 08:00)

 災害時、避難に支援が必要な障害者たちの命をどう守るのか。その課題が改めて浮き彫りになった。
 県障害者(児)福祉連合会の調査で、県内の障害者の7割近くが避難訓練に参加していないことが分かった。要支援者を受け入れる福祉避難所の存在を知らない人も、5割を占めている。
 近年、災害が多発しているだけに、必要な情報と支援が障害者一人一人にしっかり届く態勢の整備を急がなければならない。
 調査は身体や知的など障害の種類を問わず在宅の障害者を対象に実施し、400人近くから有効回答を得た。
 避難訓練に参加しているのは25%のみ。後は「訓練があることを知っているが参加していない」が32・8%、「訓練があること自体を知らない」18・4%、「情報が入ってこない」17・4%。
 体調などによって参加できないことはあるだろう。問題は参加したくてもできないケースだ。「訓練の連絡がない」「防災の書類などが送られてくるけど、読めないので分かっていない」―。視覚障害者からはそんな声が寄せられている。点字での案内など障害の特性に応じた工夫が求められる。
 福祉避難所は障害者や高齢者、妊婦ら避難生活に配慮が必要な人が一般の避難所から移送される2次受け入れ先で、市町村が指定する。
 この周知が徹底されていないのには、行政が積極的に広報していない事情もありそうだ。震度7を観測した熊本県や北海道の地震で、福祉避難所に一般の避難者が殺到したことなどへの懸念からという。だからといって、最も必要とする人に情報が伝わらないのはおかしい。
 行政側が普段から把握している要支援者に対し、福祉避難所の場所を伝えておけば対象者は直接行くことができ、移送の必要はなくなろう。避難所の役割分担を周知すれば、対象者以外が詰め掛ける混乱も一定避けられるのではないか。
 東日本大震災の被災地では障害者の死亡率が、被災住民全体の死亡率の2倍に上ったとされる。災害時に生死を分けるのは、正確な情報を得られるかどうかも大きな要素だ。障害者の命を守るためには、平時からのきめ細かな情報の提供が健常者以上に欠かせない。
 国は要支援者一人一人について、避難方法を事前に決めておく「個別計画」を作成するのが望ましいとしている。県によるとことし3月末時点で、県内の要支援者は計5万8千人弱いるが、県全体の策定率は11・9%と進んでいない。
 個別計画には「避難を手助けする支援者は誰か」「どんな支援が必要か」などが盛り込まれる。計画づくりを通して、助けが必要な人は誰かを地域で共有し、日ごろの見守り活動にも生かす。それは地域の防災力アップにつながるはずである。
 調査結果を真摯(しんし)に受け止めて、障害者の命と生活を守る取り組みを着実に進めたい。

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