2019.05.28 08:39
【いのぐ】津波だ!高知城に避難!!いのぐ記者が訓練
3年目となる2019年度の「防災いのぐ記者」。初仕事は、こうした想定で訓練し、市街地での津波避難を考えることでした。
14人が参加。高知市本町3丁目の高知新聞社5階で、「長く感じた」揺れを会議用の長机の下で耐え、日曜市でにぎわう街中へ。200メートルほど離れた市の指定する津波避難場所、高知城へ逃げました。
その途中で感じたのは…「大勢が避難してパニックになる」「石垣が危険」といった、さまざまな課題。「じゃあ結局、どこに避難するのが正解?」。みんなで話し合いました。
複数の避難先「日々考えて」高知大・大槻准教授
避難訓練でさまざまなことを考えた、いのぐ記者たち。
実際、江ノ口川と鏡川の間で、高知城から東に2キロメートルほどのエリアの人口は約1万人。いろんな人が集まる昼間の人口は、高知市地域防災推進課によると1・4倍ほどになる見込み。
さらに、よさこい祭りでは、踊り子だけでも2万人近くが参加。見物客も含めると、もっと膨れ上がります。パニックが起きるかもしれません。
また、城を管理する県教委文化財課によると、面積だけで考えると避難可能人数は最大1万人ほどですが、食料の備蓄は職員約20人の3日分だけ。
「城の収容力は津波から命を守る点で大事」という高知市地域防災推進課も、「熊本城の例もあり不安も分かる。実際は(このエリアに約30カ所あり、3万人ほどが収容できる津波避難)ビルに逃げる人が多いかもしれません」。
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訓練、意見を踏まえ、講評してくれたのは、今回のアドバイザーで高知大学防災推進センターの大槻知史准教授。
まず、それぞれの避難先の良い面、悪い面を意識することが大切―と、いのぐ記者たちの活動を評価。「複数の避難先と、そこへのルートを考えておくこと」。状況に合わせて、その中から選ぶというのです。
地震はいつ起きるか分かりませんし、遭遇する場所も違います。その時その時で柔軟に判断しなければなりません。最優先するのは「津波から逃れ、命を守ること。『遠いけど屋根がある』というのはNG」ときっぱり。
その上で、大槻准教授はこうアドバイスしました。
「いろんな場所で、『今、地震が起きたら』と考えるくせを付けてほしい。深刻に、ではなく、脳のトレーニングのような感じで。新しい場所に行った時ほど考えて。日ごろからさまざまなイメージをしておけば、合わせられる状況が増える。ぜひやってみてほしい」(新田裕也・沢田万亀)
2019年度いのぐ記者募集中
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