【岐路の年】日本 今なぜ憲法改正なのか|高知新聞

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【岐路の年】日本 今なぜ憲法改正なのか

(2018.01.03 08:00)

 2018年は日本にとって大きな転換点となるかもしれない。
 第2次安倍内閣は発足から5年を超えた。今年9月の自民党総裁選で3選を果たせば、2021年までの歴代最長政権も視野に入ってくる。
 昨年の衆院選の結果、自民は議席が過半数ラインを大きく上回った。公明党を含めた与党では、憲法改正の発議が可能な全議席の3分の2を超えている。改憲に前向きな勢力が3分の2を上回っているのは参院も同じだ。
 先の衆院選で自民は改憲を政権公約に盛り込んだ。大勝を受けて安倍首相は「悲願」への意欲を高めていよう。一度は「20年の新憲法施行」をぶち上げた経緯もある。早ければ自民は18年中の国会発議を想定している。思惑通り進むかどうかは見通せないが、国会で改憲論議が加速する可能性はあろう。
 改めて思う。憲法改正をなぜ今、それほどにも急がなければならないのか。
 首相が改憲の「本丸」に見据えているのは憲法9条だろう。自ら9条の1項(戦争放棄)、2項(戦力不保持)を維持した上で、自衛隊の存在を明記する案を提示している。
 しかしこれは2項を見直し、自衛隊を「国防軍」とする12年の自民党改憲草案とは隔たりが大きい。「自衛隊を憲法に書きこまなければ不都合だ」と考える国民が現在、大多数いるとも思えない。
 透けて見えるのは、「3分の2確保」という千載一遇のチャンスを逃がしたくない思惑である。なぜ憲法を変えなければならないか。その理念より変えること自体が優先され、自己目的化しているのではないか。
 自衛隊の9条明記にはより深刻な問題がある。
 安倍政権は憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法を成立させた。「駆け付け警護」など自衛隊の役割は拡大し、米軍との一体化が進む。防衛装備品も拡充している。変わりゆく自衛隊は、戦力不保持の規定などと整合するのか。
 安保法には今も違憲の疑いが強く残る。自衛隊を憲法に明記することで、安保法を既成事実化することは許されない。
 自民は教育無償化や緊急事態条項、参院選の「合区」解消も改憲項目に挙げている。とはいえ必要性に疑問符がつくものもあれば、改憲によらず一般の政策や法改正で実現すべきものもある。いずれも多くの論点や課題があり、国論を二分するテーマだ。拙速に扱えば国民の間に深い分断を招きかねない。
 各種世論調査では憲法改正の優先順位は低く、安倍首相の下での改憲にも否定的だ。スケジュールを切って結論を急ぐ必要性を国民は認めていない。むろん憲法は「不磨の大典」ではない。社会との間に深刻な亀裂があれば見直すのは当然だ。
 現在と未来の暮らしのために、本当に必要な改正とは何か。それを見いだす議論でなければならない。

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