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【政治家の暴言】看過してはならない

(2017.12.06 08:00)

 言論の府に携わる政治家の暴言、放言が止まらない。差別的な発言が歯止めもなく続く。もはや悪習と化している。
 自民党の山本幸三前地方創生担当相がアフリカ支援・交流活動を巡り「何であんな黒いのが好きなんだ」「ついていけない」と見下した。黒人への差別感情がにじみ出たような侮蔑発言である。
 日本はアフリカ諸国とアフリカ開発会議を設け、インフラ整備などの支援を通して友好関係の構築に努めてきた。20年余りの歴史を持ち、国際的に先駆的な取り組みと位置付けられる。
 中国が豊富な資金力で急速にアフリカ進出を図っている状況に対し、安倍政権は警戒を強めている。山本氏の発言は政府のアフリカ外交にも水を差す。
 「『黒い大陸』が念頭にあり、とっさに出た」と山本氏は釈明し、撤回した。だが、「黒い大陸」は未開の地の「暗黒大陸」を想起させ、差別発言の上塗りにも等しい。
 山本氏は地方創生担当相在任中も事実誤認の事例を持ち出し学芸員を「一番のがん」とおとしめ、非難を浴びた。繰り返す暴言からは、政治家の資質として求められる誠実さや良識は見て取れない。
 宮中晩さん会に招く国賓のパートナーが同性の場合、出席を「日本国の伝統に合わない」と述べて反対した自民党の竹下亘総務会長の発言も、性的少数者(LGBT)への古い偏見そのものだ。
 LGBTの社会的な認知や権利保障は世界の潮流で、日本も同じだ。何より、自民党自体が先の衆院選公約でLGBTへの「正しい理解の増進」をうたう法制定を掲げた。矛盾も甚だしい。
 不適切な発言は与党にとどまらない。日本維新の会の足立康史衆院議員は加計学園問題に関する一部全国紙の社説を非難し、「死ね」とネットに投稿した。衆院の委員会審議では別の野党議員を名指しし「犯罪者だ」と決め付けた。
 足立氏は国会で民進党を「あほ」とそしり、懲罰動議が出された過去がある。攻撃的な悪口雑言を意図的に吐き、扇動する。そんな意図さえも疑われよう。
 閣僚らが問題発言で更迭や辞任に追い込まれる度に国民の批判が政権や政党に向かい、支持率低下に直結してきた。だが、最近は必ずしも連動していない。
 強引な国会運営で異論を押しのける安倍政権の「1強」が続く。野党勢の低迷も政権の強硬姿勢を許す。緊張感を欠いた政治状況は議員の慢心や緩みを生む。
 そうした政治家の暴言が度重なり、もはや「失言は当たり前」という冷めた視線や諦めが世論に広がってきているのだとしたら、憂慮すべき状況である。
 民意を顧みない政治家は独善に陥り、政策をゆがめる。それは国民の不利益に他ならない。決して看過してはならない。

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