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【改憲と教育無償】自民は有権者を欺くのか

(2017.12.01 08:00)

 大学を含む教育の無償化を憲法改正の柱に位置付けていた自民党が、改憲案から「無償」の表現を外す可能性が出てきた。
 党憲法改正推進本部の会合で改憲案のたたき台が示され、出席者からも異論が出なかった。教育費の負担軽減へ、国の努力義務を定める方向で調整している。
 教育無償化を実現するために憲法を改正する必要はない、というのが私たちの考えだ。改憲とは切り離して論議すべきである。
 だが、自民党の方針転換は明らかに公約違反だ。
 自民党は大勝した先の衆院選で、憲法改正を掲げた。柱として、自衛隊の明記▽教育の無償化・充実強化▽緊急事態対応▽参院の合区解消―の4項目を明示していた。
 総裁である安倍首相は、特別国会の所信表明演説で「約束した政策を一つ一つ実行に移し、結果を出していく」と誓ったばかりだ。舌の根も乾かないうちに有権者を欺くのだろうか。
 方針転換の理由も耳を疑う。
 大学なども無償化した場合、文部科学省は必要な財源を「年3兆円以上」とはじく。党憲法改正推進本部の8月の会合では、国の財政悪化につながるとして慎重論が相次いでいた。今回のたたき台はそれを踏まえたものとみられる。
 ではなぜ、課題をそのままにして衆院選の公約に盛り込んだのか。納得のいく説明が求められる。
 教育無償化の政策自体は、与野党を問わず、多くの政党が公約に掲げた。先進国の中でも日本は教育への公的支出が少ない。議論を深めるべき政策であろう。
 最大の課題は安定財源を確保できるかどうかだ。「教育国債」の発行や出世払い方式など複数の案が浮上してきたが、結局は将来へのつけ回しだとの批判が少なくない。
 国民的な論議が重要であり、いきなり改憲項目に盛り込むのは無責任だ。改憲のハードルを下げるための画策と受け取られても仕方があるまい。公約に批判があったのもそのためだ。
 そもそも教育の負担軽減について自民党の政策は一貫性に欠ける。
 義務教育は憲法26条2項により、無償だが、旧民主党政権時代に高校の授業料も無償化された。当時、野党だった自民党は「選挙向けのばらまき」「恒久財源がない」などを理由に反対している。
 政権交代を果たすと、第2次安倍内閣は所得制限を設けて継続している。それを大学まで広げ、憲法にも盛り込むという政策は安倍首相の強い意向だったはずだ。
 党憲法改正推進本部は無償化は明記しないが、改憲項目としては残す考えだ。「国は、教育環境の整備に努めなければならない」とした2012年の党改憲草案を基に、26条に3項を設ける方向で論議する。
 これでは無償化を担保する上では意味がないだろう。安倍自民党の改憲ありきの姿勢がにじみ出ている。

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