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【予算委質疑】首相答弁は無責任過ぎる

(2017.11.29 08:00)

 部下から適切だと報告を受けたから、そう理解した―。追及を受けている組織のトップが、こんなことを述べて平然としていては、さらに信用を失うことになる。
 安倍首相をはじめ政府は、学校法人「森友学園」への国有地売却を一貫して「適正だった」としてきた。だが会計検査院によって売却額算定などの問題点を指摘された。強弁は崩れたといっていい。
 矛盾を衆院予算委で問われた首相は「財務省や国土交通省から適切に処分したと報告を受けていた」と答弁した。自らの姿勢を顧みず、人ごとのようだ。あまりに無責任というしかない。首相は、自分が調べて自分が適切と答えたことはない、とも述べている。
 首相は行政府の長であり、官僚は指揮下にある。部下を信用するのはいいとしても、うのみにして恥じないようではトップとして資質が問われる。答弁は部下に責任を押し付けているとも受け取れる。
 部下が業務上の問題を起こせば、上に立つ者は管理責任を問われるはずだ。経緯を明らかにし、自らの責任と非を認める。見直すべきところは見直し、改善策を講じる必要がある。社会でごく当たり前の手順を踏もうとする姿勢が、首相の答弁からは全くうかがえない。
 会計検査院の報告に対しても、「政府として指摘を真摯(しんし)に受け止めなければならない」と繰り返してばかりだ。
 国民の財産を8割以上の破格の値引きで処分した。会計検査院から売却額の算定は「慎重な調査検討を欠いた」と指摘され、公文書管理を巡っても問題点が突き付けられた。
 「真摯に受け止める」のは当然だ。求められるのは、なぜそうなったのか、どこに問題があるのかなどを詳しく調べさせて、明らかにすることではないか。「受け止める」だけでは、政府の責任者として何も語ってないも同然だろう。
 再三にわたり指摘してきた森友問題の核心は、置き去りにされたままだ。国有地の売却を巡り、なぜ不可解な値引きへと至ったのか。国有地に開設予定だった小学校で、一時名誉校長に就いていた安倍昭恵首相夫人の関与などだ。
 だが政府は、これらの解明には背を向ける一方で、国有財産の処分手続きを見直したり、公文書管理のガイドラインを改めたりする方針を打ち出した。核心には触れず、行政手続きにすり替えて、幕引きを図ろうとしてはいないか。
 予算委では、近畿財務局と森友側が売買契約を結ぶ前に、国有地の売却価格を協議していたとうかがわせる音声データの存在を財務省が認めた。財務省は、売却を前提に定期借地契約を結び、特例扱いを重ねた点も認めた。疑念は深まった。
 「丁寧」「謙虚」と口にするだけでは信頼に結び付くまい。首相は自らの責任に向き合い、真相を明らかにすべきだ。与野党とも不誠実な答弁を許してはならない。

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