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浅野氏講演「残留孤児 国民的課題」 支援法10年で集い 高知市

(2017.11.12 08:20)


「残留孤児の問題では、日本国民の責任が問われている」と語る浅野慎一教授(11日午後、高知市の自由民権記念館)
 日本に永住帰国した中国残留孤児ら(中国帰国者)の生活支援を盛り込んだ改正帰国者支援法の成立10周年を記念した集いが11日、高知市桟橋通4丁目の市立自由民権記念館であり、神戸大学大学院の浅野慎一教授が講演で「残留孤児は戦争被害者ではない。戦後の日本の政府、社会が生み出した被害であり、日本国民が解決すべき課題だ」と訴えた。

 浅野教授によると、日本政府は1932年から45年の敗戦までに約32万人の日本人を中国東北部の満州開拓のために送り込んだ。高知県からは1万人以上が渡ったという。

 浅野教授は「残留孤児を生み出したのは、直接的には戦争ではなく、戦後の引き揚げ事業の遅延とその打ち切り(58年)が原因だ」と指摘した。

 また、日本政府は72年の日中国交正常化を受け、残留孤児が「自己の志望で中国の国籍を取得した」として日本国籍を一方的に剥奪し、より帰国が困難になったと説明。このような「帰国妨害」が廃止されたのは94年ごろで、既に孤児は40~60代になり、日本語の習得や就職に大きな影響を与えたとした。

 2002年以降、高知など全国15の裁判所で起こされた残留孤児による国家賠償訴訟を契機に、改正帰国者支援法が07年に成立。国民年金の満額支給(月額6万6千円)や、月額最大8万円の生活支援給付金の支給などが盛り込まれた。

 同法成立から10年が経過し、高齢化した孤児が日本語教室など交流事業へ参加することが難しくなっているほか、2世に対する支援が行われていない問題点も挙げ「語り継ぐだけでなく、日本国民として今、ここで責任を持って解決すべき戦後民主主義の課題だ」と呼び掛けた。

 講演会は「県中国帰国者の会」(石川千代会長)の主催で、約130人が耳を傾けた。

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