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【2017衆院選 憲法改正】国民に堂々と是非を問え

(2017.10.11 08:00)

 この衆院選では、日本の将来を左右する重要な争点として憲法改正が議論の的となる。
 まず自民党が公約で、憲法改正を重点項目の一つに位置付け、「自衛隊の明記」などを盛り込んだ。
 改正原案を国会で発議し、国民投票を行い「初の憲法改正を目指す」とする。同党が2012年の政権復帰後、改憲をこれだけ前面に打ち出すのは初めてだ。
 小池東京都知事が代表を務める「希望の党」は、「憲法9条を含めた改憲論議を進める」とした。地方分権なども議論の項目とするが、小池氏は改憲に意欲的で、民進党との合流に際しては「憲法観の一致」を公認選別の条件に挙げたほどだ。
 その「排除の論理」に反発し、「立憲民主党」を立ち上げた枝野代表は、ことし4月に民進、共産両党など野党4党が合意した「安倍政権下の憲法改悪に反対」との立場を維持するとみられる。
 主要3極の改憲への姿勢はまだあいまいな部分が多く、党首らも十分語っていない。しかし重点公約に掲げ、議論を活発化させようというのなら、まず説明責任を負うのは自民党総裁である安倍首相だ。
 安倍首相は5月の憲法記念日に合わせ「2020年の新憲法施行」を唐突に打ち上げた経緯がある。「自衛隊の明記」は、その際に表明された改憲案だ。
 改憲の項目や期限に踏み込んだこの発言は、憲法改正を発議する国会を軽視するものだと批判を浴びた。こうした「安倍1強」のおごりは、7月の東京都議選での自民党惨敗にもつながったのだろう。
 首相はその後、「スケジュールありきではない」「後は党で議論してほしい」と改憲論議から距離を置いた。事実上の先送りだと受け止めた国民も多かっただろう。
 この低姿勢は単なるポーズだったのか。降ってわいたような衆院解散を表明する記者会見で、首相は憲法改正にひと言も言及しなかった。そしてあまり日を置かないうちの、重点公約への格上げである。
 共同通信社の9月下旬の世論調査でも、投票で最も重視する点は「社会保障」(29・7%)、「景気や雇用などの経済政策」(16・3%)などが上位であり、「憲法改正」(8・9%)の優先順位は低い。
 安倍首相と自民党は、なぜいま改憲なのかを、衆院選の候補者を含めて国民に直接、訴える必要がある。改憲手続きは、国民の意見を幅広くくみ上げながら、与野党の丁寧な議論で総意を形作る作業だ。
 争点になった以上、与党だけでなく野党も、正々堂々と国民に語るべきだ。希望の党が憲法9条に対し、具体的にどんな認識を持っているのかも、明らかにしてほしい。
 有権者も十分にそれらの意見に耳を傾け、考えたい。憲法改正の是非を国民投票で最終的に決めるのは、私たち主権者の1票である。

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