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【食料自給率低下】実効性ある対策を急げ

(2017.08.25 08:00)

 農林水産省によると、2016年度の食料自給率(カロリーベース)は、前年度に比べて1ポイント下がり38%となった。
 1993年度以来、23年ぶりの低水準だ。37%だったこの年は記録的な冷夏と台風の影響を受け、深刻なコメ不足となった。米国やタイなどから緊急輸入せざるを得なくなったのを記憶している人もいよう。
 今回低水準となったのは昨年夏、台風の被害を受けた北海道で小麦と、砂糖の原料になるテンサイの生産が減ったためだ。
 農水省は自給率低下について「自然の要因が大きい」としている。だが、農業が自然の影響を受けるのは当たり前だ。農家は自然災害のリスクに常に直面している。
 災害の規模にもよるだろうが、政府に求められるのは、自然現象に左右されることがないよう、食料を安定的に確保、供給できる体制を整えることではないか。
 自給率の低下が物語るのは、依然として日本の食料生産基盤がもろい状況にあることだ。農政の在り方が問われよう。
 2025年度には食料自給率を45%に―。政府が15年から掲げてきた目標だが、ここ10年間は40%前後が続く。現状のままでは達成は難しいとみるしかない。
 自給率は、世界的な食料不足に備えるための危機管理の指標という位置付けだ。重要な意味を持つ数字のはずだが、目標に近づくどころか、遠のいている。政府に危機意識はあるだろうか。
 15年に農水省は、新たな政策指標として食料自給力を取り入れた。農地面積や農業従事者などの数字を基に、それらを最大限に活用したとして、どれくらい生産能力があるのかを表した数字である。農業の潜在的な力を示すものといえる。
 この自給力にしても、最新の16年度版農業白書は、徐々に低下する傾向があると記した。別の指標でみたところで、日本の農業が問題を抱えていることに変わりはない。
 世界では、地球温暖化が原因と指摘される異常気象、自然災害がたびたび起きている。人口も増え続けている。穀物や食肉などの需要がさらに膨らめば、供給とのバランスが崩れる恐れがある。食料危機の懸念は増しているのが現実である。
 コメを除けば、自給率1割台の小麦、食肉などをはじめ輸入頼みなのが日本の食料事情の実態である。貿易自由化の流れが続けば、価格の低い外国産との競争はさらに厳しくなるのは確実だ。
 農業が主体の従事者は高齢化が進み、耕作放棄地は増えるばかりである。一方で将来性を感じさせるのは法人経営組織が増え、若手の新規就農者の受け皿となっている点だ。
 意欲ある農家や法人組織の力を引き出すことが農業の体質強化、自給率の向上につながろう。規模拡大や輸出の支援など、さまざまな観点から先行きをにらんだ実効性ある対策が急がれる。

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