子どもたちの「知的好奇心」を高め「学ぶ意欲」を育てる一助になれるよう、
さまざまな企画を発信してまいります。
海洋コアから地球のことを知る。ミクロの世界をのぞいてみよう!
「ここには地球の歴史を知るヒントが詰まっています」。初めて見る海洋コアに興味津々
海洋コアって何? 子どもたちに、「高知でしかできない学び」を得てほしいとスタートした「高知子ども未来プロジェクト2020 高知ならではまなび」。第1回の学び体験は、「高知コアセンターで地球のことを学ぼう!」と題して、高知大学物部キャンパス内にある高知コアセンターで開催しました。ここは、世界に三つしかない海洋コアの保管・研究施設のうちの一つで、高知大学の海洋コア総合研究センターと海洋研究開発機構(JAMSTEC)の高知コア研究所が共同で運営しています。インド洋から西大西洋で採取した貴重なコアが、150kmほど冷蔵・冷凍保管され、研究に活用されています。
 最初に、センター長の徳山英一先生からのお話。「海洋コアとは、海の底に金属やプラスチックの筒を突き刺して取った砂や泥、岩石などの柱状試料のことです。その中には、氷河期、火山の噴火、巨大地震、大陸移動など、地球が46億年の間に経験してきた出来事の記録が詰まっています。それを精密に分析することで、地球の歴史を知り、未来を予測することができます」
 ロビーには、海洋コアを掘削する地球深部探査船「ちきゅう」の100分の1の模型が展示されていて、技術専門職員の松崎琢也さんが、どのようにして船の位置を長期間保ったまま掘削を行っているか、その技術や仕組みについて説明してくれました。
コアの保管庫に入ってみた! 「それではセンター内の見学ツアーに行きましょう!」と、松崎さん。採取した海洋コアは、開封前にコンピュータ断層撮影(CT)スキャナーを使って中にどんなものが詰まっているか確認します。その後、縦半分に割り、地層の様子や含まれている物質を調べていきます。真空パックされた海洋コアを見せてもらうと、採取した海域や海の深さによっても色が異なり、この中にたくさんの情報が詰まっていることが分かります。
 「1万年前の泥や砂は、そのまま保管していると変質してしまうので、冷蔵庫で保管します」と案内されて入ったのは、気温4度の冷蔵庫。乾燥しないよう湿度は80%に保たれています。「有機物は、さらに低いマイナス20度で保管します。ちょっと面白い実験をしてみましょう」と、用意されたぬれタオルを持って冷凍庫へ。全員「寒い!」と震え上がります。「タオルを20秒くらい振り回してみて」と言われ、端を持ってブンブンブン!タオルがパリパリに凍って板のようになり、マイナス20度の世界を実感しました。
顕微鏡でミクロの世界へ  次は、海洋コアの研究に欠かせない、顕微鏡での観察を体験するワークショップ。机の上には、ペットボトルで作った顕微鏡と、観察用の砂や和紙、塩、砂糖などが並んでいます。砂の中には浮遊性有孔虫の死骸などもあり、地球のことを知る大事な手掛かりの一つです。
 ペットボトルの口に観察したいものを置いて、ガラスビーズをはめ込んだキャップを付け、下にライトを置いて点灯させるとスタンバイOK。片目でのぞき込み、キャップを回してピントを合わせていきます。「あ、見えた!」「これは?」「きれい」と声が弾み、見えた形をスケッチし、記録していきました。
 光学顕微鏡も準備され、その見え方に「全然違う!」と驚きの声。オオカナダモや赤く染めたタマネギの薄皮も配られ、光を透過して浮かび上がる形にさらに興味が深まります。
 最後に一人一人、面白かったことや驚いたこと、観察して気に入ったものを発表。「星の砂の先が丸くなっていた」「光学顕微鏡で見たタマネギの皮は怖かった」「いろいろな色があるサハラ砂漠の砂が好き」など、いろいろな発見があり、ミクロの世界を楽しみました。