


「ここには地球の歴史を知るヒントが詰まっています」。初めて見る海洋コアに興味津々


最初に、センター長の徳山英一先生からのお話。「海洋コアとは、海の底に金属やプラスチックの筒を突き刺して取った砂や泥、岩石などの柱状試料のことです。その中には、氷河期、火山の噴火、巨大地震、大陸移動など、地球が46億年の間に経験してきた出来事の記録が詰まっています。それを精密に分析することで、地球の歴史を知り、未来を予測することができます」
ロビーには、海洋コアを掘削する地球深部探査船「ちきゅう」の100分の1の模型が展示されていて、技術専門職員の松崎琢也さんが、どのようにして船の位置を長期間保ったまま掘削を行っているか、その技術や仕組みについて説明してくれました。

「1万年前の泥や砂は、そのまま保管していると変質してしまうので、冷蔵庫で保管します」と案内されて入ったのは、気温4度の冷蔵庫。乾燥しないよう湿度は80%に保たれています。「有機物は、さらに低いマイナス20度で保管します。ちょっと面白い実験をしてみましょう」と、用意されたぬれタオルを持って冷凍庫へ。全員「寒い!」と震え上がります。「タオルを20秒くらい振り回してみて」と言われ、端を持ってブンブンブン!タオルがパリパリに凍って板のようになり、マイナス20度の世界を実感しました。

ペットボトルの口に観察したいものを置いて、ガラスビーズをはめ込んだキャップを付け、下にライトを置いて点灯させるとスタンバイOK。片目でのぞき込み、キャップを回してピントを合わせていきます。「あ、見えた!」「これは?」「きれい」と声が弾み、見えた形をスケッチし、記録していきました。
光学顕微鏡も準備され、その見え方に「全然違う!」と驚きの声。オオカナダモや赤く染めたタマネギの薄皮も配られ、光を透過して浮かび上がる形にさらに興味が深まります。
最後に一人一人、面白かったことや驚いたこと、観察して気に入ったものを発表。「星の砂の先が丸くなっていた」「光学顕微鏡で見たタマネギの皮は怖かった」「いろいろな色があるサハラ砂漠の砂が好き」など、いろいろな発見があり、ミクロの世界を楽しみました。