ひとつの大家族である「高知家」が、ますます元気な家族となるよう、
さまざまな発信をしてまいります。
土佐の気候と
自然と人の手
世界から注目される
手漉き和紙
やわらかい紙、硬い紙。ロギールさんが作ったいろいろな和紙の感触を確かめました
オリエンテーション
土佐和紙の歴史や原料、製法など
草花の採取
工房周辺で季節の草花を採取
和紙材料の準備
原料をたたきほぐす
型枠を使った土佐和紙作り
型枠の中に材料を流し、草花を載せて 漉き込む 水分を取って完成!
乾燥後、後日郵送
作品の大きさ : 約25センチ×40センチ
所要時間 : 約2時間
対象年齢 : 5歳~
定員 : 2~12人
料金 : 1人2,500~4,000円
※人数によって変わります
かみこや
高岡郡梼原町太田戸1678
TEL FAX 0889-68-0355
営業時間/9:00~18:00
休/不定休
http://kamikoya-washi.com/
梼原の風景を漉き込む 今年5年目を迎える、高知家の未来プロジェクト「こうち体感ツアー」。子どもたちに高知の原風景の中で、ふるさとの魅力や豊かな資源について知ってもらう企画です。年内に全5回のプログラムを行います。
 第1回の体感ツアーでは、梼原町の手漉き和紙作家・ロギール・アウテンボーガルトさんの工房「かみこや」を訪れました。オランダ人のロギールさんは、26年前から梼原に移り住み、今では奥さんの千賀子さん、息子の陽平さんと共に原料となる楮や三椏を育て、伝統的な製法で和紙を漉き、さまざまな作品を作っています。
 雨の中、墨絵のような幻想的な風景が広がる梼原町太田戸に集まったのは9組の親子。まず最初に、ロギールさんから「自然のものだけで手作りする和紙は、世界的にも価値が高い素材。日本ではそれが生活の中に生きていることが素晴らしい。貴重な文化であり、受け継いでいくべきもの」というお話を聞きました。和紙作りに欠かせない、原料、道具、職人の三要素がそろう高知は、日本の中でも特に重要な産地で、学びの地として外国からもたくさんの人がやって来るのだそうです。
 今回は、かみこやの周りで採取した草花を漉き込んで、自分だけの和紙を作る体験。「厚い葉や太い木の枝はうまくできません」「アザミの花びらを散らしてもきれいですよ」と、ロギールさんのアドバイスを受けながら、工房の周りでたくさんの草花を摘みました。ロギールさんが種をまいて育てたという楮や三椏もあり「枝が三つに分かれているから三椏ながやね!」と、納得の表情です。
  梼原町は古くから三椏の栽培が盛んで、紙幣の原料として出荷することで現金収入を得てきたのだそう。雨が多いこの土地は、三椏がよく育ち、紙漉きに欠かせないきれいな水も豊富。土佐和紙が重要な地場産業であったことを学びました。
原料はすべて自然の恵み 品質の高い和紙を作るために必要なのは、冷たい水。自然の原料だけで作るので、気温が高い時季には腐敗しやすく、紙の寿命も短いといわれています。初夏のこの日に漉いた紙は「それでも500年ほど持つかもしれない」とロギールさん。
 紙の原料作りは冬の仕事。刈り取った楮や三椏を甑で蒸し、するりとむいた木の皮を乾燥させ、外側の部分を削り取った後の白いひものようなものが紙の原料となります。
 それを大鍋に入れ、消石灰と共に煮るとさまざまな成分が溶け出し、繊維質だけが残ります。水洗いして板にのせ、木づちでたたいて十分繊維をほぐすのが土佐和紙の伝統的な作り方で、今回の体験はここから。
 参加者たちは、用意された原料を独特のリズムで丁寧にたたきほぐし、水の中に入れて攪拌。「ネリ」と呼ばれるトロロアオイの根から抽出したトロトロの液体を加えると「ヌルヌルする~」「カエルの背中の汗みたい」と、子どもたち。繊維の塊がなくなるまでしっかり混ぜます。
 メッシュシートの上に木枠をのせ、トロトロの材料をひしゃくですくって木枠の中に流すと、水は下に抜け、メッシュシートの上には繊維だけが残ります。その上に、採ってきた草花をのせ、思い思いの図柄を描き、指で押さえてピタッとくっつけたら、再び和紙の原料を流して漉き込み完了。さらに上から、土や桑の木などで色付けした和紙材料を絵の具代わりに使ってパルプペインティング。和紙そのものの白さも残すよう意識しながら、色を付けていきます。
 枠を外し、不織布をのせた上から、タオルでそっと押さえて水分を取れば完成!光にかざすと、草花が美しく浮かび上がります。出来上がった和紙は、ロギールさんの元で板干しし、後日参加者の元へと発送されました。
 「この自然、この気候があるからこその土佐和紙。世界にとっても重要なもの。ぜひ注目して」というロギールさんの言葉が、それぞれの胸に響きました。