Let’s go o-henroad! 「お遍路ードプロジェクト」について

126日目「30番から31番へ。これで尺取り虫遍路の輪がぐるりと繋がった」(2016年2月8日)

歩数 21238歩
距離 12.7km
消費カロリー 582kcal

 自宅からお遍路に出勤するのは「旅情に欠ける」と昨日書いたばかりである。それが尺取り虫遍路の最終日、通算126日め、記念すべき竹林寺へのお礼参りの日に自宅からの出勤になった。
 家族への感謝の気持ちを込めてといえば美しいが、実は前夜のホテルがとれなかったから止むを得ずなんである(さえないなあ)。

 結願を果たした後、歩き始めの札所に打ち戻ることを「お礼参り」という。普通のお遍路さんの場合は、香川県さぬき市の四国霊場88番札所・大窪寺を打って結願し、徳島県鳴門市の第1番札所・霊山寺(霊山寺)まで戻ってお礼参りをするというのが1つのパターンである。
 我々は高知県人なので、歩き始めの寺を高知市五台山の31番札所・竹林寺にしたのだった。だから結願の寺は昨日打った30番札所・善楽寺で、お礼参りの寺が竹林寺ということになる。
 「結願」を果たして「お礼参り」までを無事終えたことを、弘法大師のお墓がある高野山へ報告に行くことも「お礼参り」というので、ややこしい。もちろん我々も高野山への報告のお礼参りを3月に計画している。できればここでも「尺取り虫方式」の歩き遍路で果たしたいと考えている。その様子はどこかでお読みいただけるようにしようと思う。

 昨日の結願遍路もそれなりに感じるものがあったが、黒ちゃん的には今日のお礼参り遍路の方が達成感がある。今日歩いた高知市一宮から五台山への8kmがあって初めて、四国霊場88か所をぐるりと繋ぐ遍路ルートが完成するからだ。
 全長1539.8kmに及ぶ我々の足跡が完全な輪(リング)となる瞬間がまさに今日なのだ。

 朝8時半、善楽寺をスタートし、高知市高須側からの歩き遍路道に取り付く。細くて急な遍路道は五台山の中腹まではお墓の間を抜ける道である。やがてお墓が途切れ、石組みの古い遍路道を上り詰めると、ぽこんと牧野植物園の園内に出た。時刻は10時半、ここまで約2時間で歩いたことになる。園内の遊歩道を通り、牧野植物園の入り口を抜け、竹林寺の参道へ。
 竹林寺の正面の参道の石段をゆっくり上がる。テレビ局各社のカメラが階段の途中でずらりと並んで待ち構えている。すべて我々「尺取り虫遍路隊」のお礼参りを取材するためである。なんだかアカデミー賞でレッドカーペットの上を歩くハリウッドスターの気分である。
 「清原さんと間違えていませんよね」と軽口を叩いたが、テレビクルーの反応はイマイチ。どうやらいちばん大事な竹林寺の石段で「滑った」ようである(笑い)。

 本堂の前で竹林寺の海老塚和秀住職が我々を迎えてくれた。海老塚さんは満面の笑みで「お疲れさま。よく頑張りましたね」と言いながら右手をさっと差し出した。黒ちゃんも自然に右手を出してガッチリと握手である。
 海老塚さんの温かくて柔らかい手に触れたとき、ぎっくり腰のちょっと上のあたりから不意に「何か得体の知れないもの」がこみ上げてきた。
 ここ数日感傷的になっている竹内記者を横目に、自分はサバサバとした気分でいたのだが、不覚にも目の奥の方が熱くなってきた。照れ隠しで、
「仏教的には西洋式の握手は問題ありませんかね」
 とウケを狙おうかと思ったが、また「滑る」といけないのでぐっと我慢した黒ちゃんでありました。

 126日めにお礼参りを果たしてややおセンチになって一句
 <輪をつなぐ 最後の一歩 竹林寺>

<ごあいさつ>

 ここまで126回にわたる長大でときには饒舌すぎる黒ちゃんのブログにお付き合いいただき、ありがとうございます。毎回トイレットペーパーのような細くて長いブログ本文を、スクロールしながらお読みいただいたみなさまに心からの感謝を捧げます。
 そして仕事とはいえ、わがままな黒ちゃんの「急がない」「きままな」お遍路に辛抱強く同行してくれた高知新聞報道部副部長の竹内一さん、呆れずに最後まで紙面を割いてくれ、黒ちゃんのトイレットペーパーブログをアップし続けてくれた高知新聞社に感謝申し上げる。
 そしてそして。最後に最大の謝辞を、我々のわがままなフリースタイル遍路を寛容のまなざしで終始見守ってくれたお大師さまに捧げたい。

黒笹慈幾


ついに白いページが埋まった納経帳。結願の翌朝に、しみじみ眺めてからお礼参りに出発である。


最終日にまたまた「うっかり事件」をやらかした竹内記者。よりによってお大師さまの象徴ともいえる金剛杖を自宅に忘れてきたのだ。歩きの途中で奥様が届けるという綱渡りを演じてくれた。


高須側の遍路道から見た高知市内と土佐山の山並み。最終日もみごとな「お大師さま晴れ」である。


お墓の脇を抜ける竹林寺への遍路古道を歩く。


さわやかな気分で竹林寺の石段を上がる。奥に見えるのは仁王門。


竹林寺のご住職、海老塚和秀さんが出迎えてくれた。海老塚さんからは2年前の出発の際「ゆっくり歩きながら道々に眠る宝物を見つけてください」というはなむけの言葉をいただいた。1500kmの道々には確かにたくさんの宝物があった。


2年前の5月。我々のお遍路のスタート地点は、はりまや橋だった。だから最後はここで記念撮影。


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