Let’s go o-henroad! 「お遍路ードプロジェクト」について

124日目「ダブルブッキングの後始末、お遍路姿で高知市内まで出張」(2016年2月6日)

歩数 18621歩
距離 11.1km
消費カロリー 508kcal

 今日はなんだかんだと忙しい1日になった。まず大日寺の門前からスタートし、11時までに国分寺を打って本日の遍路を早めに終えた。
 次にタクシーで高知市内に移動、正午から京町商店会の旦那衆のランチミーティングで40分間の講演。黒ちゃん行きつけの喫茶店「クレオール」でコーヒを飲み、「都築鍼灸整骨院」でぎっくり腰の治療を済ませてホテルに戻り、いまこのブログの原稿を書いている。

 お遍路の最中に、短い時間とはいえ地元に舞い戻るのは抵抗があった。旅をしている途中で自宅に忘れ物を取りに寄るようなものだから。同行の竹内記者からは「そんなことすると旅情がなくなりますよ」と叱られた。
 しかし、これにはやむをえない事情がある。京町商店会での講演と、2月のお遍路日程が重なってしまったのだ。原因は、黒ちゃん得意の「うっかり」なんですがね。
 ただ、幸いなことにこの日、尺取り虫遍路隊は隣町の南国市国分の国分寺まで達していた。国分寺からタクシーを飛ばせば、なんとかダブルブッキングを「なかったこと」にできる。これが他県や高知県内の遠隔地を歩いているときだったら大変なことになっていた。黒ちゃんって、なんという幸運の持ち主なんだろう。

 大日寺を出て、住宅街と畑地が交互に現れる細道を30分ほど歩くと、物部川に突き当たる。遍路道は川沿いにやや上流に迂回して、河口から4本目の戸板島橋を渡った。
 じつはこの橋のすぐ下手の瀬は、黒ちゃんの夏の鮎の友釣りポイントである。橋の作る日陰に車を停めてそこから出陣できるのでとても便利なのだ。
 このあたり、鮎のシーズンになれば川にはたくさんの釣り人が立ち込み、鮎の匂いがあたり一面に漂うのだが。今日は誰もいない河原でアオサギが1羽、もともと丸い背中をさらに丸めて小魚を漁っているだけであった(笑い)。

 物部川の対岸に渡ると、遍路道はハウスや露地の畑、田んぼの間を細い水路が縦横に走る平野の中を進む。ここは肥沃な土に恵まれた香長(かちょう)平野とよばれる地域。高知を代表する農業地帯なんである。
 冷たい北風がふいにニラの匂いを運んできた。ハウスの中で最盛期を迎えたニラの収穫作業が行われているに違いない。突然、お腹がグーと鳴った。
 「昨日の昼食、ラーメン餃子にしておくべきだった」
 後悔先に立たない黒ちゃんでありました。

 香長平野を真一文字に突っ切るカタチになる国分寺への遍路道を歩くのは楽しい。目と耳、鼻からいろいろな情報が入ってくる。
 ツグミやジョウビタキの声。飛び立つアオサギ。さらさらと水路の水音。水中を走る小鮒の群れ。空港を飛び立つ航空機のエンジン音。そしてニラの匂い。
 のどかな農村地帯の冬を全身で感じることができる。

 本日2本めの川、国分川を渡り午前10時半、四国霊場第29番札所・国分寺に着いた。大日寺を発ったのが8時半だから所要時間2時間。遍路地図には大日寺・国分寺間のコースタイム2時間40分と出ているから、かなり飛ばして歩いたことになる。
 どうやら黒ちゃん、ダブルブッキングをなかったことにしようと気が急いていたようだ。これって「うっかりの効用」かも、なんちゃって(ちっとも反省してませんな)。

 見事に掃き清められた国分寺の境内に参拝者はおらず、黒ちゃんの貸し切り状態。なんという贅沢なことであろう。国指定文化財の本堂(柿葺き、寄棟造り)、大師堂の順にゆっくり参拝し、納経所で通算87個めの「朱印」と「墨書」をいただいた。
 これで納経帳の「白」は残すところ1ページだけ、「結願」まであと1日となった。
 明日はいよいよ結願の寺、四国霊場第30番札所・善楽寺を打つことになる。

ダブルブッキングの後始末に奔走して一句
<うっかりを 帳消しにして 国分寺>

黒笹慈幾


大日寺の参道を下ると自動車道を横切りそのまま畑の畦道に導かれる。これが国分寺への歩き遍路道の入り口になる。


大日寺から30分ほど歩いたところ。カーブの向こう左手に、歩き遍路さんを物部川の対岸に渡してくれる戸板島橋が見える。


戸板島橋の上から下流の瀬を望む。2、3年前まではもっと幅広くて深い流れが続き、大型の鮎がつく好ポイントだったが。


戸板島橋の脇に建つ小さな家。鮎が解禁になると、友釣り用のオトリ販売店になる。


ハウスの脇に山積みされていたニラの葉。出荷の際に枯れていたり傷がある葉は間引かれて廃棄される。この匂いが風に乗って運ばれるのだろう。


どうやら春キャベツの畑のよう。香長平野はかつて物部川と国分川によって上流から供給された肥沃な土のおかげで、どんな作物でもよく育つと聞いた。


起伏がなくだだっ広い平野のど真ん中を遍路道が貫いている。


こちらは青ネギの畑だろうか。この地区では、ハウスと露地の畑がモザイクのように組み合わさった景観を作っている。


長岡温泉近くの遍路道沿いに店を構えている「へんろ石まんじゅう」。


これがへんろ石まんじゅう。餡も皮も素朴でなんとなく懐かしい味がする。お遍路さんにも人気がある「和のスイーツ」で、黒ちゃんは歩きながら2つも食べちゃった。


掃き清められてピリリと緊張感が漂う国分寺の境内。地上に落ち葉の一片も落ちていなかった。


29番国分寺の境内から仁王門越しに国分の里の風景を望む。30番善楽寺に向かう遍路道も見える。


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