Let’s go o-henroad! 「お遍路ードプロジェクト」について

118日目「風雪の羽根岬を越えて加領郷(かりょうごう)へ」(2016年1月20日)

歩数 18094歩
距離 10.8km
消費カロリー 587kcal

 夜来の烈風が朝になってもまったく止む気配を見せない。テレビの朝の全国ニュースでは東京を始め全国各地で暴風雪の被害が続出と報じている。驚いたのはローカルニュースでも高知市内の初雪の映像が流れていたこと。黒ちゃんが留守の間に、高知市内も寒波に襲われているようだ。
 12月、1月と天候に恵まれたお遍路で気が緩み気味だったので、冬らしい久しぶりの風雪遍路にむしろ気合が入る黒ちゃん。一方、竹内記者のほうは昨夜の「港の上」(室戸市中心部の歓楽街の通称)での痛飲がこたえているようで、あんまり元気がない。「できれば今日のお遍路は休みたい」という雰囲気である。しかし「尺取り虫のように少しでも前に進んでおこう」ということで意見が一致、室津のバス停から安芸行きのバスに乗り込んだのである。
 昨日の最終地点、吉良川の古い町並みが始まるあたりから歩き始める。朝9時過ぎの吉良川の町は人の気配がなく「美味しいコーヒーを一杯」と期待していた古民家カフェもまだ開店前であった。

 吉良川の街並みを抜けて国道55号に復帰したとたん、正面から冷たい霰(あられ)まじりの強風が吹きつけてきた。凍えた頬がピリピリと痛む。こんな冷たい風に吹かれるのは久しぶりだ、このブログのバックナンバーを調べてみると、一昨年の12月18日に愛南町一本松から観自在寺を打ったとき以来である。そういえばタイトルはやけっぱちで「観自在寺は寒自在寺だった」と付けたのだった。あのときの僧都川(そうずがわ)の土手も寒かったなあ。

 ものすごく冷たい向かい風に耐えながら、羽根川に架かる羽根橋を渡る。風速は15mを超えているから、体感温度は多分氷点下になっているはずだ。羽根川は河口部だけを見ると大した川には見えないが、川沿いにクルマを30分上流に走らせると水量たっぷりの見事な渓流に変身する不思議な川だ。じつは黒ちゃんの夏のアメゴ釣りのホームグラウンドなんである。
 羽根の町並みを抜けたあたりで、我々の行く手を遮るように稜線が見えてきた。羽根岬である。遍路道は意外にも国道55号に合流せず、山の中に踏み込んだ。羽根岬を回り込むとばかり思っていたので、想定外の急登はんである。汗が冷えると風邪をひくので汗をかかないように雨具を着たり脱いだりせわしい山道歩きである。

 そういえば一昨日の室戸岬、昨日の行当岬、そして今日の羽根岬。3日連続で岬の背骨を越えている。東京からの飛行機の窓からいつも室戸、行当、羽根と行儀よく並んだ岬が見える。そうか、あれを順に越えて一歩一歩を刻んでいるのだ。
 山道が急に下りに変わり、目の前に高い堤防と真っ白い波頭の海が見えたと思ったら、加領郷の港であった。これ以上歩くと危ないので(笑い)、今日の歩きはここまでとした。

 ところで、一昨日の夜遍路でおじゃました「みかど食堂」の女将、山本世志恵さんから今朝ショートメールが届いた。その中に俳人でもある山本さんの句が3つ入っていた。我々の室戸の遍路旅の様子を詠んだ句である。本人の了解を得て紹介する。
 <初遍路 室戸三山 打ち終えぬ>
 <結願へ 四ケ寺なりぬ 初遍路>
 <御朱印の にほひほのかに 初遍路>
 初遍路という言葉は黒ちゃんは今まで使ったことがなかったが、初々しくていいなあ。
 さっそく使わせていただいて黒ちゃんも一句。
 <風雪の 岬越えなり 初遍路>

黒笹慈幾


夜遍路で訪ねた伝説の居酒屋、室津「したまち」には貴重なクエ刺しとクエ鍋が用意されていた。このお店、歴代の高知新聞室戸支局長御用達のお店なので、やや「お接待モード」が入っていたと思われる。ごちそうさまでした。


貴重なクエの胸ビレ、鰓(エラ)とアゴも鍋の種に。なかなかの珍味だった。


古い町並みが保存されている吉良川のメインストリート。朝の9時すぎと早いのと寒波のせいもあろうが人影は皆無。


夜来の大嵐にたくさん実を落とされた文旦の木。吉良川の町外れ。


お遍路さんの通り道だからか、弘法大師空海の幼名「真魚(まお)」の居酒屋発見。お大師さま、苦笑してるかも。


次の27番札所まで21km。残念ながらこの距離とこの天候では、今日の我々の射程距離外である。


羽根町沖の海はこの通り大荒れである。海岸線は白一色。


黒ちゃんのアメゴ釣りのホームグラウンド、羽根川源流の山々に真っ黒な雪雲がかかる。


想定外の山越えを強いられた羽根岬の遍路道。いい季節ならば楽しいだろうが、今日はとにかく寒くて苦しい。


羽根岬の尾根を越えると反対側は奈半利町加領郷の集落。港の防波堤の向こうには大荒れの安芸の海。


ものすごい風を避けて、加領郷のバス停小屋の中に避難して下りのバスを待つ。今日は吉良川の町まで戻って泊まる。


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