Let’s go o-henroad! 「お遍路ードプロジェクト」について

105日目「美波町へ。ふと、高知の海の匂いがした」(2015年11月30日)

歩数 27767歩
距離 16.6km
消費カロリー 903kcal

 11月の阿波遍路の最終日である。24日にスタート、昨日までに13番大日寺、14番常楽寺、15番国分寺、16番観音寺、17番井戸寺、18番恩山寺、19番立江寺、20番鶴林寺、21番太龍寺、そしてきょう22番平等寺を打ち、JR牟岐(むぎ)線の由岐(ゆき)駅まで歩いて終えた。
 6日間で10の寺を片付けた、じゃなかったお参りしたことになる。のんびり系尺取り虫派にしてはかなり効率のいい遍路だったと言えよう。しかしアップダウンが激しく、距離のたっぷりあるコースが多かったので、燃料をかなり消費してボディもだいぶ傷んだ気がする。そういう意味では燃費のよくない遍路だった。
 それが証拠に帰り着いた徳島市内のホテルでひと風呂浴びたところで、太もも、ふくらはぎ、背中の筋肉がブツブツ文句を言っている。高知に帰ってからもしばらくは筋肉痛が残りそうな気配である。

 今回のコースを水系で見てみると、鮎喰(あくい)川→勝浦川→那賀(なか)川→桑野川→福井川の順になる。5つの川は徳島県の北から南に順に並んで紀伊水道に流れ込んでいる独立河川だ。黒ちゃんは川釣り派なので水系でその土地を俯瞰するクセがあるのだが、わずか1週間で5つの川の流域を彷徨ったということになる。お大師さまが褒めてくれないので自分で「お疲れさま」と言っちゃおうっと。
 ちなみに徳島県内の主な独立河川で残しているのは、日和佐(ひわさ)川、牟岐(むぎ)川、海部(かいふ)川、宍喰(ししくい)川だけである。

 今日は阿南市阿瀬比町(あせび)からのスタートだ。遍路道は阿瀬比のバス停からすぐに山のなかに分け入り、大根(おおね)峠を越える。舗装路が終わるとすぐ本格的な登山道になった。前日の遍路ころがしパート2を終えて「やれやれ」と油断していせいか、意外にきつい傾斜に息が切れた。
 峠を越えるとすぐに牛舎が見えてきて、その向こうにのどかな里山風景が広がっていた。真ん中を細い川がうねうねと貫いている。桑野川の支流だ。
 小さな落ち込みに続く溜まりを覗き込むと、慌てて逃げ惑う小魚がいる。さっそく昨日と同じ釣り仕掛けを取り出し、うどん粉のエサを投げ込むと、ここでもカワムツ君が機嫌よく遊んでくれた。竿を持つ竹内記者が明るい声で「カワムツの竿と仕掛けはどこで買えますかね」と聞いてきた。カワムツ専用竿ってのはなくてこれは小鮒竿なんだけどね。

 22番札所・平等寺は里山風景のなかに溶け込んだ質素なお寺だった。境内の一段高い場所に建てられた本堂は修理中で、脇の護摩堂が仮本堂になっていた。そのなかに弘法大師が刻んだと伝えられるこの寺の御本尊、薬師如来が鎮座していた。手をあわせるがなんだが魚くさい。あっ、さっきのカワムツだ。
「普段は秘仏だから見れないはず。仮本堂だから見れたんですよ。やっぱり我々にはお大師様がついていますね」と竹内記者。カワムツが釣れて秘仏が見れて、今日はお大師さまのご機嫌のいい日なのかもしれない。

 さて。12月のお遍路はJR由岐駅前からスタートする。徳島県内で1つだけ打ち残した美波町の23番札所・薬王寺を打ち、国道55号線をひたすら南下すれば、いよいよ高知県。昨年の12月に宿毛から松尾峠を越えて愛媛県に入って以来だから1年ぶりである。美波町由岐坂峠の手前でふと高知の匂いがして、峠を越えると光る海が見えた。
「カワムツ遍路の次はアオリイカ遍路ですね」
 竹内記者が釣りバカらしいコメントを吐いて11月の尺取り虫遍路終了である。

 峠を3つ越え、ようやく海辺の駅に着いて一句
<カワムツの 次はアオリか 釣り遍路>

 約1週間にわたり黒ちゃんのブログ「釣りときどきお遍路」日記と、高知新聞竹内一記者の朝刊連載「ハマちゃんと歩く1201年目の88か所」をご愛読いただきありがとうございました。12月は中旬のスタートを予定しております。

黒笹慈幾


阿南市阿瀬比町から22番平等寺に抜ける遍路道の道標が朝日に照らされている。


大根峠を越えると、のどかな山里に出た。遠くから間延びした牛の鳴き声が聞こえてきた。


2日連続でカワムツに遊んでもらってご機嫌な竹内記者。小継の小鮒竿がえらく気に入った様子で「幾らくらいするの」と真剣に聞いてきた。


22番札所・平等寺。正面の建物が本堂だが修理中。ご本尊の薬師如来は向かって左にある護摩堂に避難していた。


平等寺の大師堂。


護摩堂に避難中のご本尊・薬師如来。普段は秘仏で見ることができないが、今ならば見られる貴重なお姿。


トンネル内の国道55線の看板が懐かしい。加えてその下には「室戸まで96km」の文字。いよいよ高知の地名が出てきた。


福井町から美波町に抜ける由岐坂峠を越えると、いきなり遠方に光る海が見えた。


本日の歩きはこの看板の下で終了。列車の到着時間の30分前に着いた。


由岐駅前のゲートボール場からは、日曜日だからか元気なお年寄りたちの歓声が聞こえてきた。


列車の時間に間に合うようにと昼めし抜きで歩いたので、やや遅めの昼食を駅の食堂で食べる。持ち込んだインスタントの焼きそばに快くお湯を提供してくれた。


JR牟岐線由岐駅の看板。ここから特急「室戸」利用で徳島まで1時間と少し。


徳島市内に戻り、夜遍路は先月も通った「椿ダイナー」に。写真は阿波尾鶏のコンフィと野菜の付け合わせ。ワインはポルトガル。


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