Let’s go o-henroad! 「お遍路ードプロジェクト」について

104日目「持ってきてよかった、釣竿とうどん粉」(2015年11月29日)

歩数 24816歩
距離 14.8km
消費カロリー 653kcal

 まずは昨日の予告通り、2日間にわたり四国遍路史上最大の難所のひとつに数えられる(黒ちゃんのクセでやや大げさな表現になってます)「遍路ころがしパート2」を歩いた報告をしようと思う。
 遍路ころがしパート2とは、徳島県勝浦町生名(いくな)を起点に20番札所・鶴林寺(かくりんじ)→阿南市大井町→21番札所・太龍寺(たいりゅうじ)→阿南市阿瀬比(あせび)町に至る歩き遍路ルートを指す。どこが険しいのかといえば、生名→鶴林寺で標高差420mを登り、鶴林寺→大井町でいったん下り、再び大井町→太龍寺で470mを登り、太龍寺→阿瀬比で再び下るという標高差890mの「アップダウン2連チャン」ルートだからである。
 黒ちゃん得意の釣りの比喩を使っで別の角度から説明してみる。まず勝浦川(生名)で鮎を釣り、山を越えて反対側の那賀川(大井町)でアメゴを釣り、再び山を登って反対側の桑野川(阿瀬比)でカワムツと遊ぶ。つまり3つの谷と2つの山を制覇する壮大な遍路ルートということになる(またまた大げさになってきた)。
 ちなみに、黒ちゃんと竹内一記者の「尺取り虫遍路隊」のこれまでの記録は、石鎚山登山の標高差700mである。さすがに890mは絶対にムリだということで、鶴林寺への登りだけを前日に済ませておいたのだ。いま痛切に思うのは「その判断は正解だった」である。
 もし鶴林寺の登りから始めていたら、間違いなく今日は太龍寺の境内でギブアップだった。昨日のレストラン「あおき」で鹿肉カレーライスを頬張りながら「今日中に鶴林寺まで行っちゃいましょうよ」と提案してきた竹内記者のお手柄だ。ジビエ好きの竹内記者、鹿肉を食べると頭が冴えるのかも(なんのこっちゃ)。

 さて。鶴林寺の登りの遍路道は約3km。お遍路さんが本当に転がりそうな難所は最後の1.5kmで、所要時間は約50分だった。一方、鶴林寺からの下り2.5kmは息つく間がない凄まじさ。急斜面に延々と刻まれたジグザグの遍路道を文字通り転がりながら落ちる感じである。共に膝に不安を抱える黒ちゃんと竹内記者は、膝のご機嫌を伺いながら「ヒヤヒヤソロソロ」の下りだったので、1時間もかかってしまった。
 次の登りの遍路道は、那賀川の支流の沢伝いにコンクリートの立派な遍路道がつけられており、傾斜もそれほどではなくてホッとした。沢音のBGMを聞きながらの快適な登りだ。黒ちゃんにとって渓流の沢音は「元気の素」である。
 それでも大龍寺まで残り1.5kmを切ってからの容赦のない登り坂には大汗をかかされて、納経所前で一瞬裸になって(失礼)着替えをさせていただいた黒ちゃんでありました。

 20番鶴林寺も21番太龍寺もともに厳しい自然に溶け込んだ凛々しい修験の山寺だった。空海の著した思想書「三教指帰(さんごうしいき)」の中にも登場するという太龍寺の伽藍群は特に印象的だった。大師堂の奥に隠すように建てられた弘法大師の御廟(みみょう)とその他の伽藍が高野山の奥の院と同じ配列であることから「西の高野」と呼ばれているという点も興味深い。
 鶴林寺の御本尊は地蔵菩薩、太龍寺は虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)。虚空蔵菩薩は寅年生まれの黒ちゃんの守り本尊でもあります。

 さてさて。「釣りときどきお遍路」というタイトルでブログを始めておきながら一向に「釣りシーン」が登場しないとご不満のみなさまへ、久々に釣りの話題です。
 本日のルートの最後、阿南市阿瀬比の集落を流れる小川の脇で小休止したときに多数の魚影を発見したのである。さっそく振り出し式の小鮒竿を取り出し、うどん粉を練ってエサにし、流れのゆるんだ溜まりにシモリ仕掛けを投入すると、すぐに玉ウキが消しこんでかわいいカワムツが食ってきたのだ。カワムツを初めて見るという竹内記者にも釣れて大騒ぎである。
 使うあてがないのに腐らず、常にザックにつり竿と仕掛け、うどん粉を常備していた黒ちゃんのスマッシュヒットでありました。エライ!(自画自賛デス)
 というような次第で「遍路ころがしパート2」の無事終了をカワムツ君たちに祝福してもらった、黒ちゃんと竹内記者の釣りバカコンビでありました。

 「お遍路ときどき釣り」とタイトル変更を考えながら一句
 <カワムツに お遍路の無事 報告し>

黒笹慈幾


「遍路ころがしパート2」の全貌を伝える案内版。見ただけで武者震いした黒ちゃんです。


しっかり石組みされた鶴林寺に向かう遍路道。かなりの急傾斜である。


途中、山の反対側を流れる那賀川を一望できるポイントがあった。向かいに見える稜線は明日這いのぼる太龍寺の山である。一瞬気が遠くなる。


ようやくたどり着いた鶴林寺の仁王門。山寺らしい質素な佇まいだ。


鶴林寺の本堂に向かう階段。朝の空気が冷たい。今日はここからスタートである。


鶴林寺からの直滑降遍路道。凄まじい傾斜に太腿とふくらはぎの筋肉が悲鳴を上げ続けた。


ようやく下り終えた大井町の民家の庭に咲いていた皇帝ひまわりの花。


皇帝ひまわりの家の番犬は正座して我々を迎えた。


皇帝ひまわりと正座番犬の家のおかあさんに温かい「すだちハニー」とチョコレートをお接待していただいた。美味しかった。


お接待の「すだちハニー」とミニチョコ。ありがとうございました。


太龍寺のお遍路道を下りてきた逆打ちのお遍路さん。東京からきた設計士さん、81歳。お元気ですね。黒ちゃんもこの歳になって歩いているかなあ。


太龍寺の大師堂。「西の高野」と称される風格ある伽藍。


カワムツが釣れた。お遍路先で久しぶりの釣りである。


ハードな1日の歩きを終えた黒ちゃんと竹内記者を和ませてくれたカワムツ君。 竹内記者は「さっぱり釣れないイカダのチヌ釣りより面白かった」と絶賛。


<<前の日へ      次の日へ>>