Let’s go o-henroad! 「お遍路ードプロジェクト」について

102日目「コインロッカー遍路と駅前札所」(2015年11月27日)

歩数 33848歩
距離 20.3km
消費カロリー 1171kcal

 昨日と今日、2日続けてJR徳島駅地下のコインロッカーからの出動である。不要の荷物を預けて身軽に歩く「空身遍路」だ。徳島駅近くのホテルに泊まって、毎日そこから出動しているのである。11月に打つ予定の札所がちょうど徳島駅を中心にまとまっているから可能になったのだが。
 「同じホテルに連泊すればいいのに」と黒ちゃんは思うのだが、竹内記者は「当日午後に空室情報をインターネット検索して最安のホテルをゲットする」と譲らない。だから毎日チェックアウトしなければならない。つまり「ベースキャンプ型」の遍路スタイルである。
 この「ベースキャンプ型遍路」というのは竹内記者の造語だが、なかなかキレのある言葉で黒ちゃんは気に入っている。このままアウトドア雑誌の特集タイトルに使える名コピーだと思う。
 そこで、黒ちゃんも竹内記者に対抗して何かひねり出したいな、と考えていて思い浮かんだ言葉が「コインロッカー遍路」だ。作家・村上龍の作品「コインロッカー・ベイビーズ」からいただいたのだが、若い人には通じないかもね(笑い)。
 悪ノリついでにもうひとつ。「駅前札所」ってのはどう?今日の2つめの18番札所・立江寺(たつえじ)がJR牟岐(むぎ)線立江駅のすぐ前にあったからなんだけど。こちらは森繁久彌と伴淳三郎、フランキー堺の東宝喜劇映画「駅前シリーズ」から。あらら、こっちも「おじい系」ですかね(失礼いたしました!)。

 さて。今日は6時35分徳島駅前発の徳島バス「天の原西行き(延命経由)」で、上鮎喰(かみあくい)橋バス停下車だ。きのう17番札所・井戸寺からここまで歩いているので、今日はここから眉山(びざん)の背中に回り込み、くびれた腰のあたりを越えて勝浦川に出るコースだ(ちょいと色っぽい表現してみました)。
 徳島の中心街を抜けるコースと比べるとかなりのショートカットだが、それでも総距離は20km近くになる。目指すは小松島市にある二つの札所、18番恩山寺(おんざんじ)と19番立江寺(たつえじ)である。
 眉山のくびれた腰を越えるルートは「地蔵越遍路道」と呼ばれていて、歩き専用の登山道になっていた。昨夜降った雨で足元は少しぬかるんでいたが、約30分で越えることができて上々のスタートだったのだが…。そのあと勝浦川を渡ってから県道136号線と国道55号線バイパスをクルマの騒音と一緒に歩く味気ない歩きになったのは残念だった。

 18番札所・恩山寺は、小松島市街を遠く望む小高い山の中腹に建てられた山寺。縁起によると、聖武天皇の勅願により行基菩薩が創建した女人禁制の道場で当初は「密厳寺」という名だった。後に弘法大師が山門近くの滝に17日間うたれる修行で女人解禁の祈願を成就し、生母の玉依御前(たまよりごぜん)を迎えたという伝説がある。
 玉依御前は後に剃髪(ていはつ)をし、髪を寺に奉納した。そのときに弘法大師が山号を「母養山恩山寺」と改め、自らの像を刻んで安置したという。御本尊は薬師如来(行基菩薩作)。

 次の19番立江寺までは4.5kmほどの距離だったが、途中から冷たい雨が落ちてきた。30分雨の中を歩いて小松島市立江町の中心にある立江寺に着いたのは午後1時半。冷えた体で参拝と納経を済ませJR牟岐線立江駅から列車で徳島に戻ったのは午後3時前だった。
 立江寺の御本尊は聖武天皇が光明皇后の安産を祈って行基菩薩に刻ませたと伝わる小さな(5.5cm)黄金の延命地蔵尊。後に弘法大師が自ら彫った像高1.9m、木造の延命地蔵尊の胎内におさめられたという。

 以上、朝5時半起きの「コインロッカー発、駅前札所着」の本日の歩きは結局、ハードなベースキャンプ型遍路になっちゃったので、風邪を引かないようにしないと。
 ええっ、竹内くん、今日の宿まだ決まってないの?まいったなあ。

 冷えたカラダでドトールで原稿を書きながら一句
 <雨遍路 宿も決まらず 風呂恋し>

黒笹慈幾


昨晩の夜遍路で見つけた徳島市内のお好み焼き屋「はやしのお好み焼き」。注文すると、大きな鉄板でおばちゃんたちがせっせと焼いてくれるステキなお店。テイクアウトの客も多かった。まずは「よせうどん」を注文。


お店の外観。レトロな構えでついフラフラっと入ってしまう。


眉山のくびれた腰を這い登る「地蔵越遍路道」の入口。すぐに急な上りになる。


地蔵越えの登山道はこんな感じの急傾斜。ヒトとイノシシの専用道、なんちゃって。


地蔵越えの峠にはこんな野仏が。黒ちゃんがかけたイノシシ除けのコミックソング「ヨーデル食べ放題」に大笑い(ウソです)。「何のことかわからん」という方は、本日の高知新聞朝刊の記事を参照されたし。


地蔵越えの頂上から小松島市方面を望む。雲行きがかなり怪しい。


小松島市の国道55号バイパス脇に建てられたお遍路さん休憩所。室内は綺麗に整えられていた。


18番札所・恩山寺の参道。元は女人禁制の修験場だったという山寺らしく、境内は静謐な雰囲気。


立江町に入ったところにあったお遍路さん休憩所。デザインがあまりにもぶっ飛んでいて、入るのに少し勇気がいるかも(笑い)。


19番札所・立江寺の境内。雨に濡れた大師堂(左)と多宝塔。「大師堂の屋根のラインが美しい」と竹内記者うっとり。


今日の歩きの終着点、JR牟岐線立江駅前はこんな風景。強く冷たい北風にあおられたか、通勤通学の自転車が倒されていた。


立江駅の構内で列車を待っていると雨上がりの地平線に虹がかかった。


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