Let’s go o-henroad! 「お遍路ードプロジェクト」について

101日目「14番から17番まで。雨が降る前に4つの寺をまとめ打ち」(2015年11月26日)

歩数 19485歩
距離 11.6km
消費カロリー 658kcal

 昨晩のうちに「午後から雨」の天気予報が出ていた。「雨が降り出す前に歩いちゃいましょうよ」という竹内記者の提案で、朝6時35分発穴吹行きのJR徳島線の列車に乗り込んだ。6時49分府中駅着。ここから昨日の最終地点の大日寺までタクシーで移動である。
 ところで「府中駅」の読み方だが「ふちゅう駅」ではなく「こう駅」なんである。「ふちゅう」が、なぜこちらでは「こう」なのか。気になったのでインターネットで調べてみた。それによると
<江戸時代に「府中=不忠」に通じるのを嫌い、府中のある徳島県国府(こくふ)町の地名「国府」にかけ、かつ「孝」に通じるように「府中」と書いて「こう」と読むようになった>
 とある。
 なるほど。武家社会の名残りの読み方ということか。知らなかった。お遍路してるといろいろ勉強になります(笑い)。ちなみに黒ちゃんは昭和25年東京の府中(ふちゅう)生まれです(関係ないか)。

 府中駅では6時57分発の上り列車に小、中、高校生たちが大勢乗り込むのが見えた。2両編成の車内は東京の朝の通勤電車並みの混雑である。そんな朝の通学ラッシュを懐かしく思い出しているうちにタクシーが到着した。
 今日の歩きは13番札所・大日寺の門前からだ。遍路道はすぐ車道を外れて細い農道に代わる。ここから常楽寺まではグニャグニャの農道を約30分歩いたのだが、農道のわりには車の通行量が多い。前から後ろから、それもかなりのスピードで飛ばしてくるので気が抜けない。
 農道にも朝の通勤ラッシュがあるということがわかった。お遍路してるといろいろ勉強になります(笑い)。キュンキュンというモズの鳴き声もうるさいくらいにあちこちから聞こえてくる。初冬の農道遍路は意外にせわしかったのであります。

 四国霊場第14番札所・常楽寺は巨大な岩盤の上に建てられた寺で、岩を削って参道の階段がつけられていた。ご本尊は弥勒(みろく)菩薩の半跏思惟(はんかしい)像。全宇宙を司る最高神で、56億7千万年後まで衆生の救済を考え続けて、その後出現するといわれる未来仏である。常楽寺は四国霊場のなかで唯一、弥勒菩薩を本尊としている寺なのだ。
 私の釣り仲間の作家・夢枕獏さんの小説「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」(角川文庫)の中にも、宇宙の果てにある兜率天(とそつてん)の内院に住む弥勒菩薩が登場して、若き空海とサシで会話するシーンが出てくる。興味のある方はお読みください。

 次の15番札所・国分寺、その次の16番観音寺は、国道に近いからか狭い敷地内に窮屈そうに建てられていて気の毒だった。そのせいかもしれないが、昨日の竹内記者のセリフを借りれば「まあ普通の寺だった」(失礼!)。国分寺の御本尊は薬師如来(行基菩薩作)、観音寺は千手観音菩薩(弘法大師作)と伝えられている。

 府中の観音寺から狭い路地を35分ほど歩いて着いた17番札所・井戸寺は、天武天皇の勅願で建立された白鳳時代の古寺で、境内も広く伽藍も立派だった。境内には本堂、大師堂の他に弘法大師が掘った伝説の井戸「面影の井戸」、日数を限って日参するとご利益がある「日限大師」、阿波10代藩主・蜂須賀重喜が自身の大谷別邸から移築・寄進した「仁王門」など、見応えのある施設がたくさんある。御本尊は薬師瑠璃光(るりこう)如来を主尊とする7仏の薬師如来坐像で、聖徳太子の作と伝えられる。

 井戸寺から40分ほど歩いただろうか、国道192号線に復帰して徳島市街に向けて鮎喰川を渡り終えたところで今日の歩きは終了。午前10時45分だった。ここは次の札所、18番恩山寺(おんざんじ)へ抜けるショートカットの遍路道の分岐点なので、明日はここからスタートすることにしたのである。
 空は暗くて風があり肌寒いが、雨はまだ落ちてこない。早起きして「天気予報の裏をかき昼飯前に4つの寺を打つ」という竹内記者の奇襲作戦は見事成功である。

「自分の姿が映れば無病息災」という井戸寺の井戸を覗き込んで一句
<こわごわと わが身の姿 映すなり>

黒笹慈幾


JR徳島線府中駅の駅名表示板。府中を「こう」と読ませるのには、調べてみるとなかなか深い理由があった。


朝7時前だというのに、すでに上り列車の車内は児童や学生たちで混み合っている。


発車間際まで通学の学生たちが次々と跨線橋を上がって上りホームに向かう。


13番大日寺から14番札所常楽寺までの農道遍路道。路傍には石仏の野仏が。


常楽寺は寺全体がそのまま巨大な岩盤の上に乗っている感じである。


常楽寺参道の階段。岩盤を削りステップを付けてあることがわかる。


常楽寺の裏門を出てすぐの参道で白猫を発見。「ニャア」と声をかけると「ニャニャン」と応えて寄ってきて、このとおりゴロニャン状態に。黒ちゃんが猫寄せフェロモンを出したからかと思えば、このあと竹内一記者の金剛杖にもスリスリ。なんだ人恋しかっただけか。


15番国分寺の山門を通して境内を見る。敷地が狭くていかにも窮屈そうである。


16番観音寺の山門。前の道路が狭くてこれ以上カメラを引けなくて、全体が撮れなかった。


国府町を通る国道で見つけた3つの寺の案内標識。今日は効率のいい遍路だった。


井戸寺の仁王門。第10代阿波藩主の蜂須賀重喜が寄進したもの。


面影の井戸。底にチラリと見える水面に黒ちゃんの顔が映っている。お大師さまに「無病息災」を保証していただいたことになりますな。


道に迷っていたらどこからか風のように現れて恩山寺までのショートカットルートを教えてくれた老人。ひょっとしてお大師さまだったかも。


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