Let’s go o-henroad! 「お遍路ードプロジェクト」について

88日目「ことでんで行き、ことでんで帰る。ステキなことでん遍路の1日」(2015年9月24日)

歩数 24372歩
距離 14.6km
消費カロリー 817kcal

 高松市内のホテルを朝6時に出発、歩いて5分のことでん瓦町駅で6時26分発志度(しど)行きに乗る。86番札所・志度寺は昨日打ち終えてあるので、今日は志度まで戻ってから87番・長尾寺に向けてスタートする。終着の志度まではわずか30分あまりの乗車だが、その間の車窓からの風景が素晴らしい。まったく退屈しないのだ。
 まずは詰田(つめた)川を渡ると、左手に昨日猛烈な急降下で難儀した屋島が見え、次に登りの急勾配で難儀した八剣山の特徴ある山容が続く。塩屋駅を過ぎると突然前方に朝日に輝く志度湾が現れ、水際をかすめるように線路が敷かれた区間が原駅から終点の志度駅まで続く。この間、車窓いっぱいに海があふれる。車内に海水が浸入してくるんじゃないかと心配になるほど(ウソです)。まるで観光列車に乗っている気分である。
 じつは昨日も「ことでん」に乗って志度から高松市内に戻ったのだが、そのちょこまかわいい(黒ちゃんの造語です)存在感にギュッと胸をつかまれたのである。

 「ことでん」こと琴平電気鉄道株式会社は香川県高松市に本社を置く鉄道会社で、昭和18年11月に地元鉄道会社3社の事業統合によって新たに設立された。途中、2001年に深刻な経営危機に見舞われたが、地元企業の支援を受け再建を果たした。営業路線は琴平線(高松築港⇔琴平)、長尾線(高松築港⇔長尾)、志度線(瓦町⇔志度)の3つがあり、札所巡りのお遍路さんの貴重な足になっているのだ。
 北から行くと、まず琴平線には83番一宮寺がある。長尾線には87番長尾寺、志度線には84番屋島寺、85番八栗寺、86番志度寺がある。つまり高松市内とその周辺にある83番から87番までの5つの霊場全部を3つの路線でカバーしているのである。さらにお寺ではないが金刀比羅宮(ことひらぐう)も琴平線が引き受けている。「ことでん」はじつは「門前町」ならぬ「門前鉄道」なんですな。
 黒ちゃんはこのたびの「お遍路ード・讃岐高松編」で「ことでん」に初めて乗り、その利便性と社員の真面目な仕事ぶりに感動した。ワンマンカーではないが、車掌さんがちょこまかとコマネズミのように働く。検札、ドアの開閉はもちろんだが、無人駅での切符の回収も全力疾走の駆け足である。同じように目下経営再建中の我が県の「○でん」にも見習ってほしいと思った。
 今まではクルマで高松市内を走っていてやたらと踏切が多いのに閉口していた。「この街は一体どうなってるんじゃい」「何でこんなにあちこち線路引いてるんや」みたいなガラの悪い悪態をついていたのだが、今日からは改めることにする。「ことでんファン」になっちゃったんである。キャラクターのことちゃん、ことみちゃんもかわいいし(笑い)。「ことでん」ガンバレ!お大師さまが、それに金毘羅さまもついてるからね。

 さてと。少しコーフンして「ことでんファン」になったことを告白してしまったが、お遍路の話に戻ろう(笑い)。ことでん志度駅に7時着、志度寺スタートは7時15分だった。87番札所・長尾寺のあるさぬき市長尾までは、県道3号線沿いの遍路道をほぼ真南に約7.5km、2時間の歩きだった。
 87番札所の長尾寺はそれほど広くはない境内に本堂、大師堂、護摩堂、薬師堂などが整然と配置されていた。聖武天皇の勅願により行基菩薩が建立したと伝えられる本堂の、屋根の張り出しが優雅で美しい。大師堂も屋根の作りが重厚で存在感あり。ご本尊は聖観世音菩薩。
 志度寺からの道すがら、出会った4組5人の歩き遍路さんたちは全員が生気に満ちた顔つきをしていた。今日中に88番札所・大窪寺を打ち、念願の結願を果たせるという高揚感に満ちていた。
 しかし我々は違った。なぜかといえば今日の予定は長尾寺を打ち、その先8kmのところ、前山ダムサイトにある「おへんろ交流サロン」までなんである。大窪寺まではさらにそこから山越えの8kmあまりの急登坂・急降下の女体山(にょたいさん)越えが待っている。昨日痛めた竹内記者の膝の養生もあるし、「1日20kmまでルール」にも引っかかる。お楽しみを明日に残しておくことにしたのである。
 ということで、なんだか色っぽくて楽しそうな名前の女体山登山と大窪寺参拝の様子は明日お伝えすることにする。ご期待ください。
 帰りは「おへんろ交流サロン」の向かいの「道の駅ながお」にタクシーに迎えにきてもらい、ことでん長尾駅へ。行きも帰りも「ことでん」利用のことでんな1日でした(なんのこっちゃ)。

 にわかに「ことでんファン」になって一句
 <ことでんで 通えば楽し 秋遍路>

黒笹慈幾


6時26分瓦町発のことでん志度線の車内。終着の志度駅まで乗ったのは我々だけだった。


原駅から志度駅までは海上を電車が走っていると錯覚するほど水辺に近づく。車窓からは朝日に照らされた美しい志度湾が楽しめた。


ことでん志度駅。のどかな海辺の終着駅の哀愁が漂う。


さぬき市に入ってからお遍路の道標がこのような明るいデザインに変わった。見やすくてセンスがいいと思う。


長尾の手前の遍路道で見つけた長尾寺奥の院「玉泉寺」。小さいが手入れの行き届いた寺だった。


お参りをしていたら玉泉寺のご住職が出てこられて、自ら法螺貝を吹くパフォーマンスを見せてくれた。法螺吹きのお接待は初めてだ(笑い)。


長尾寺の小さいながらもよく手入れされた境内。正面の本堂の、右が大師堂、左が護摩堂。


長尾寺の境内にあった石の道標。大窪寺まで一気に歩くには、やや距離があり過ぎる。


長尾寺名物「甘納豆入りおはぎ」90円を食堂で食べて、パワーを再充填。


前山ダム手前の遍路道で見つけたお堂。室内は畳敷きでお遍路さんが泊まれるようになっていた。


前山ダムのコンクリート壁の上を女体山越えルートの遍路道のひとつが通っている。


「道の駅ながお」でランチ。地元の夢豚肉100%を使ったハンバーグ定食をいただいた。なかなかグッドなお味でした。


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