Let’s go o-henroad! 「お遍路ードプロジェクト」について

84日目「ヤブ蚊の猛襲のおかげで、休憩なしで根香寺に到着」(2015年8月17日)

歩数  34480歩
距離  20.6km
消費カロリー  980kcall

 朝6時20分に昨日打ち終えた白峯寺の門前に到着した。今日はJR始発遍路ではなく、タクシー始発遍路である。5時過ぎにJR坂出駅裏のジョイフルで朝食をとり(幕の内朝食490円)、駅前からタクシーを奮発して五色台スカイライン経由、20分ほどで到着したのである。
 白峯寺の門前には鎖が張ってあった。7時からの受付なのだ。札所は早起きのお遍路さん相手の商売だが、さすがに6時台は対応できないのだろう。納経所にも人を置かなければいけないし。楽しみにしていた早朝の山寺の境内散歩を断念し、6時半に次の札所、82番根香寺(ねごろじ)に向けて歩き始めた。

 隣り合ったふたつの山寺、白峯寺と根香寺を繋ぐのは未舗装だがしっかり踏み固められた全長5.5kmの歩き専用遍路道だ。遍路道は水場のある国分寺への分岐ポイント「十九丁」までは緩い下り、そこからは緩い上りになる。
 日差しを遮ぎる林間の道は涼しく、クマゼミとミンミンゼミとツクツクボウシの3種類のセミの競演を聞きながらの歩きは、鼻歌が出るほど快適だった。自然音だけに包まれて歩く理想的な遍路道だが、唯一欠点があった。ヤブ蚊の猛襲である。途中幾つかの休憩ポイントがあるのだが、足を止めると「待ってました」とばかりにヤブ蚊が襲ってきて、最初はふくらはぎ、次には手の甲、首すじと汗が多いところを中心に攻撃を開始する。
 最大の防御策は「歩き続けること」である。竹内記者が足踏み体操をしながら「止まらないで早く歩きましょう」と急かす。ビールの飲酒量が多い人ほどヤブ蚊に好かれると聞いたことがあるが、納得である。ちなみに昨晩の晩酌、竹内記者大ビン2本に対して黒ちゃん1本(笑い)。
 歩きながら郷ひろみの歌うあのメロディーが自然に口をついて出た。蚊取り線香のコマーシャルだ。ヤブ蚊に追われて「ナムダイシヘンジョウコンゴウ」じゃなくて「ハエハエカカカキンチョール」の真言を唱えながら歩くうちに、2時間で根香寺に着いた。ヤブ蚊のご接待のおかげかも(なんのこっちゃ)。

 第82番札所・根香寺は弘法大師が感得した金剛界曼荼羅の五智如来の5つの色にちなんで名付けられた山のひとつ、標高449mの青峰の頂上直下に開かれた山寺だ。ちなみに白峯寺は白峰山の白である。弘法大師が開祖で、のちに甥の明珍(智証大師)が千手観音を刻んで本尊に安置したと伝えられる。本堂、大師堂、阿弥陀堂の他に五大明王を祀る五大堂がある。
 根香寺も白峯寺と同じく正統派の山寺で、修験の寺の凛とした佇まいが素敵だった。特に本堂は回廊がついた豪華な作りで、険しい山の上にこれだけのものを作る信仰の厚さを感じさせるものだった。

 次の83番札所・高松市の一宮寺(いちのみやじ)までは、ヤブ蚊の助けを借りずに(笑い)15kmの下り道を一気に駆け下りて昼過ぎに到着した。「1日20kmまでルール」をわずかに越えたが、山中の縦走があったにしてはまずまず頑張った1日だったと思う。これで昨日の「うどん腹バテバテ遍路」の汚名を返上できたのではないか。
 一宮寺は法相宗の開祖・義淵(ぎえん)僧正によって大宝院として開かれたが、後に行基菩薩によって一宮寺と改号され、弘法大師の時代に真言宗に改めたという。御本尊は弘法大師作の観世音菩薩である。

 ところで、我々の尺取り虫遍路隊の総歩行距離は、すでに1000kmを突破している。実は歩き始めて最初の日に越えたのだが、なんとなく大騒ぎするのも気恥ずかしいので触れずにいたのだ。白峯寺を打ち終えた昨日の段階で1045.8kmに達している。
 一宮寺は83番札所だから88番の大窪寺まで残す寺はわずか5つ。1番から打ち始めた正しいお遍路さんの場合、あと5つとなれば最終コーナーを回ったところ、大いに意気が上がるところだろうが、天邪鬼遍路組の我々は31番札所・竹林寺からのスタート、まだまだ先は長い。
 8月のお遍路も残すところあと1日となった。なんとか16km先の84番・屋島寺まで刻んでおきたいと考えているところである。

讃岐のツイン山寺を打ち終えて一句
〈白と青  どちらも粋な  山の寺〉

黒笹慈幾


今日の朝ごはんはジョイフルの「幕の内朝食」。脂がたっぷり乗った鯖の干物が美味しい。


白峯寺をスタートしてすぐの看板。やや不気味だが、いったいどんな注意をすればいいんだろう(笑い)。


白峯寺から根香寺へ至るへんろ道はこんな感じ。歩きやすくて快適なルートだった。


自動車の一般道に遍路道が一瞬だけクロスする箇所がある。そこで知り合った自転車ツアーの一団。適度な登り坂が練習にいいのだそう。


根香寺のすぐ手前に遍路小屋があった。小屋の中は清潔に保たれていて、宿泊も可能だ。


遍路小屋の内部。手入れが行き届いていてチリひとつ落ちていなかった。


根香寺の境内に至る階段。


根香寺の本堂。回廊付きの立派な構えである。


納経帳にいただいた根香寺の墨書もメリハリがきいていてバランスがいい。


根香寺から降りてきた鬼無(きなし)町で見つけたお盆の忘れ形見。


高松市飯田町にある素敵でセンスのいいお遍路休憩所。


一宮寺に至る遍路道の脇のオクラ畑。食べごろのオクラが収穫を待っていた。


野仏に供えられた花が鮮やか。あともう少しで一宮寺である。


一宮寺の本堂。弘法大師が刻んだと伝えられる聖観世音菩薩が安置されている。


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