Let’s go o-henroad! 「お遍路ードプロジェクト」について

75日目「伊予と阿波の国境、境目峠は汗ダラ峠だった」(2015年7月21日)

歩数 23765歩
距離 16.6km
消費カロリー 779kcal

 昨晩の夜遍路は、四国中央市川之江(かわのえ)にあるスペイン料理のお店「シバリス」へ。宿舎のある伊予三島からの遠征である。イベリコ豚のハム、チョリソーと発泡ワイン、パエリヤと赤ワインの組み合わせは絶妙で、わざわざ隣町まで足を延ばした甲斐があった。
 食事が終わってもなんとなく去り難く、隣接するバーでスペインのチーズをつまみながらスコットランドのアイラモルト「カリラ」を一杯いただいた。発泡ワイン+赤ワイン+スコッチの3種類のアルコール効果で、気持ちよくベッドに倒れこんだ。
 たまには居酒屋以外の夜遍路も新鮮でいいもんだ。そういえば内子の町のドイツレストラン「ツム・シュバルツェン・カイラー」の手作りソーセージも素敵だったし。いけない、また行きたくなってきた。

 いよいよ愛媛県とは今日でお別れである。朝起きた時に菅原洋一の「今日でお別れね もう会えない」の歌詞が浮かんできて苦笑する。そういえば最近カラオケに行ってないぞ。
 今日のスタートは、昨日打ち終えた65番札所三角寺からである。早めに朝食を済ませタクシーで門前に着いたのは8時過ぎ。「ちょっとお参りしていきましょうか」と竹内記者が誘うので、昨日に続き急な石段を息を切らせて登り、仁王門と鐘楼を兼ねる山門をくぐり境内へ。
 朝の境内はまだ参拝客も少なく、抹香のなんとも言えないいい香りに包まれていた。納経帳を忘れて翌早朝に打ち戻った45番岩屋寺を思い出す。あの時の境内の凜とした雰囲気も忘れ難い。
 早朝参拝が気持ちいいのはわかっているのだが、夜遍路もしないといけないし(笑い)。早起き遍路の爽快感と夜遍路の愉しみの両方を知ってしまった黒ちゃんの贅沢な悩みであります。

 さて。今日の歩き遍路の目的地は徳島県三好市池田町にある民宿「岡田」である。次の札所の雲辺寺 (うんぺんじ)まで一気に歩くにはやや距離があるし、標高差も半端じゃない。いろいろ考えた末に、雲辺寺参拝の入り口の集落・佐野にある「岡田」に入ることにしたのである。
 三角寺から杉林の中の涼しい林道を東へ1時間、平山のバス停で伊予と高知を結ぶ土佐街道を横切る。さらに東へ進み、高知自動車道をくぐり、なだらかな下り道を約1時間歩いて椿堂(常福寺)に達した。ここは四国別格20霊場のひとつで御本尊は延命地蔵菩薩、弘法大師が開いたといわれている。椿堂で小休止をとり、余裕で国道192号線に合流したのだが、ここからの歩きが意外にもしんどかった。
 国道192号は徳島県境の境目トンネル(いかにも県境らしい名前ですな)に向かって、ダラダラと長い登りが続く。クルマで走ればなんてことない坂なのだろうが、歩くとなると大変である。
 「峠はまだですかね」と心の中で何度もお大師さまに聞いたのだが、そのたびに「まだまだ」の答えが返ってくる。いつしか息が上がり、汗が噴き出してくる。地図には書いてないけど、境目峠は歩き遍路にとって「意外な難所」であった。

 そして…。境目トンネルの手前で国道から離脱する「→民宿岡田 境目峠経由4km」の手書き看板を見つけたときは、救世主に出会ったようだった。思わず「岡田さんありがとう」と言いそうになった。今までかいた汗を一気に吹き飛ばしてくれる涼しくて快適な遍路道を辿り、伊予と阿波の県境を越えたとき、ちょうど徳島県側の集落のチャイムが鳴った。7月20日の正午、「今日でお別れ愛媛県」達成である。
 今日の宿、民宿岡田のある池田町佐野までは下り道をあと1時間ほどである。

 境目峠越えに四苦八苦して一句
 〈境い目の 峠はまだか 足が言う〉

 黒笹慈幾


川之江のスペイン料理店「シバリス」のパエリヤ。魚介と野菜をつかったスペインの代表的炊き込みご飯だ。


少し雲がかかっているが、真ん中の山の鉄塔が立っているあたりが、これから我々が目指す66番札所・雲辺寺のある場所。三角寺に登る途中でタクシーの運転手さんが教えてくれた。


土佐街道と遍路道の交差点にある平山バス停で最初の休憩。ふたりで仲良くリアルゴールドを1本ずつ飲んだ。


徳島に抜ける国道192号線と遍路道の合流点のちょっと手前にある真言宗のお寺、椿堂(常福寺)。エンタシスの入った真っ赤な山門の柱が印象的。


愛媛県最後の町は四国中央市川滝町。国道192号線のダラダラ登りをひたすら歩く。


苦しい登り坂の途中でこんなに平和に熟しているトマトを見るとつい手が出そうになる。イケナイイケナイ。


こちらも苦しいダラダラ登りの途中で見つけた平和なバス停の名前。つい由来を調べたくなる。


救世主に思えた「右→民宿岡田 境目峠経由4km」の手書き案内板。当然我々はトンネルルートはとらず右へ。


阿波と伊予の境い目、境目峠の切り通し。ここで愛媛県とはサヨナラである。愛媛の遍路は長かったが峠越えや山寺が多くで楽しかった。サンキューである。


徳島県にに入ってすぐの集落で見つけた花畑。キタテハがのんびり蜜を吸っていた。


本日の目的地、民宿岡田。歩き遍路の間では評価の高い遍路宿である。


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