Let’s go o-henroad! 「お遍路ードプロジェクト」について

69日目「連日の標高差700メートル責めに、ヨレヨレで石鎚山頂へ」(2015年6月22日)

歩数 12137歩
距離 8.4km
消費カロリー 178kcal(今日だけは万歩計を信じません)

 昨夜は西条駅前のビジネスホテルに宿をとり、原稿を書き上げてからひと風呂浴びて、7時のお迎えを待った。寒風山トンネルを抜けて高知県に入ってすぐのところにある「一の谷やかた」というレストランの支配人Mさんが、西条まで我々を迎えに来てくれて、晩ご飯をお接待してくれるというのである。
 Mさんとは、彼がいの町観光協会の事務局長をしていた時に知り合い「一の谷やかた」の開業直後に一度訪ねている。渓流沿いの山荘風の豪華な建物を、宿泊なしの料亭レストランとして営業している。この日はコリコリと歯ごたえが素晴らしいシャモ肉の鍋とビールをご馳走になり、とってもいい気持ちになって西条に戻ってきた。
 「一の谷やかた」までは高知市内から2時間かかるが、西条市内からは30分ジャストである。営業面でもMさんの視線は完全に愛媛のお客さんの方を向いている気配であった。Mさん、ごちそうさまでした。

 さて、前日に予告した通り、今日はいよいよ石鎚山に登る日である。天気は良さそうだが、気になるのは横峰寺参拝で痛めた膝と太もものご機嫌である。ホテルでいろいろ動かしてチェックしてみたのだが、空身の状態では特に痛みも違和感もない。予定通り「決行」と決めた。
 ただ、登山の専門家のMさんに、当初計画していた横峰寺→星が森→虎杖→今宮→ロープウエイ終点駅→石鎚山の完全徒歩ルートは「登山道もはっきりしていないし距離、標高差もありすぎる。危険だからやめなさい」 と言われたので、潔く諦めることにした。
 結局、西条駅前からバスに乗って石鎚登山ロープウエイ駅まで行き、ロープウエイ終点から山頂を目指して歩くことになった。山頂駅に着いたのは9時過ぎ。計画ではそこから3時間の歩きで標高1982mの頂に立つはずであった。
 山頂駅の標高は1300mだから石鎚山頂上までの標高差は700mあまり。そういえば前日の横峰寺参拝も同じく標高差700m。なんだか連日標高差700mに責め立てられているようで妙な感じである。6月のお遍路ードは「標高差遍路」と名付けることにする、なんちゃって。
 冗談を言っている場合ではない。ほんとうに今日の標高差700mは辛かったのだ。昨日は10km歩いて700m、今日は4.2kmで700mである。標高差が同じで距離が短いということは傾斜がきついということをいやというほど教えられた一日であった。明日の下りは大丈夫かなあ。

 辛かったけど楽しい一日でもあった。石鎚山には鎖に命を託して岩盤をよじ登る鎖場が4つある。一の鎖、二の鎖、三の鎖、試しの鎖である。黒ちゃんと竹内記者は、愛媛大学の若い学生たちの元気に便乗して試しの鎖の頂上に立ち、そこからの眺めに息を呑んだ。千尋の谷底を足元に見て、隣の山の稜線を眼下に望む超絶景ポイント、おもわずビートルズの「フールオンザヒル」を口ずさんだ黒ちゃんでありました。
 野鳥と春蝉の鳴き声の競演も素晴らしかった。ブナやモミの森の中を歩く登山道で黒ちゃんの聞き耳図鑑が聞き分けた野鳥の声は、オオルリ、ミソサザイ、シジュウカラ、エナガ、アカゲラ、ホトトギス、ホオジロの7種類もあった。
 「標高差遍路」は「フールオンザヒル遍路」と「野鳥と春蝉のコーラス遍路」でもあったのだ。

 試しの鎖で、一瞬だが生命の危機を感じて一句
  〈鎖場で いのちの軽さ 思い知る〉
黒笹慈幾


「一の谷やかた」の外観。吉野川の支流の沢音を聞きながら食事ができる。もとは個人の別荘だったらしい。


用意されていたのはシャモ鍋。かつて囲炉裏でお接待のシャモ鍋をつついたゼイタクな歩き遍路さんはいただろうか。Mさんのおかげです。


石鎚登山ローブウエイのゴンドラには山ガールたちの姿も。このあと石鎚山山頂にも華やかなウエアの山ガールたちがあふれていた。


今まで「お遍路さん」と呼ばれてたのに、ここでは「登山者」と呼ばれた。正直うれしい。


標高差700mを短い距離で稼ぐ山道はこういう急勾配の連続になる。ただし、難所には木製や金属製のステップが必ず付けられていて安全な登山道だ。


「試しの鎖」のてっべんで愛媛大学医学部の学生さんたちと記念撮影。礼儀正しいステキな若者たちだった。若いっていいなあ。


写真では伝わりにくいが、ものすごい垂直の壁を鎖だけを頼りに下降する。渓流釣りのときの「高巻き」を思い出した。


疲労困憊で山頂に這い上がったあとの冷たいビールがノドにイタ気持ちいい。後ろは石鎚山の本当のピーク天狗岳の威容。ちなみに頂上のビールの値段は580円也。竹内記者はそれでも安いと言い切った。


きょうのお宿は、石鎚山のてっぺんに建つ「石鎚神社頂上山荘」。しっかりした作りで、強風にも強そう。室内も清潔。1泊2食で8700円は竹内記者に言わせると山小屋としては通常価格だそう。


頂上山荘の今日の夕食。ジャガイモたっぷりのチキンカレーはお代わり自由。右は白身魚のフライとサラダ。


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