Let’s go o-henroad! 「お遍路ードプロジェクト」について

62日目「太もも筋肉痛癒えぬまま、禁断の空身遍路で54番、55番まいり」(2015年5月8日)

歩数 25634歩
距離 18.4km
消費カロリー 1087kcal

 昨日の荷物を背負った「思いっきりちゃんと遍路」の後遺症がまだ両太ももににしっかり残っている朝である。お大師さまに「歩き遍路、イチから出直します」と宣言した翌朝でもある。今日の予定は昨日歩き残した菊間町→54番・延命寺(えんめいじ)→55番・南光坊(なんこうぼう)。距離は20kmルールの範囲内なのでカラダの状態が普通ならば充分歩けるはずなんだけど。
 「うーん、でも荷物を背負ってだと途中リタイアの危険もあるし、雨の予報も出てるしなあ」ということになって、今治駅前のホテルに延泊をお願いして荷物を置いて出かけることにした。
 反省した翌日にもう禁断の空身遍路に手を出し、じゃなかった足を出しちゃった竹内記者と黒ちゃんのダメダメお遍路コンビであります。
 「お大師さま、こんなふたりを許していただけるんでしょうか」

 今治市菊間町から国道196号線に沿って歩き始めるとすぐ、左手に巨大な石油精製施設が見えてきた。
 プラントからはニョキニョキとパイプが伸びていて、ひときわ高い煙突からは真っ白な水蒸気らしきものが上がっている。看板には太陽石油とある。高知にもあるSOLATOという妙な名前のガソリンスタンドもやっている会社だ。
 1200年の歴史あるお遍路の札所と巨大な石油コンビナートが同居する今治市、なかなか面白いところだなと思った。
 伊予亀岡、大西と予讃線の電車を見ながら国道196号を歩き、大西駅の先で線路と別れて今治市内に向かう。太ももの筋肉痛は相変わらずだが、空身なのでなんとかここまで来れたというところだろうか。荷物を置いてきてよかった。54番札所・延命寺まではあと一息である。

 延命寺の本堂は屋根を修理中ということで、工事用シートに包まれていて見られず、ご本尊の不動明王も仮本堂に納められていた。足の痛みをおしてはるばる松山から歩いてきたのに、これじゃあちょっと拍子抜けである。
 延命寺から今治市内中心部にある55番札所・南光坊までは4km1時間弱の行程。竹内記者も黒ちゃんも筋肉痛をこらえ、足を引きずりながらの苦しい歩きだったのだが、遍路道が広大な墓地の真ん中を突っ切って作られていたのには仰天した。「延命を祈願したあとにお墓めぐりなんて、笑えない冗談だよね」と二人で苦笑したのである。

 四国霊場55番札所・南光坊は堂々たる構えのお寺だった。正面に立派な山門がデンと座っている。平成10年に建てられた新しいものだというが、なかなか美しい。中におさめられている四天王像もいい。截金(きりがね)を施された甲冑が豊かな筋肉の盛り上がりを表現している。ここへきてようやくお遍路気分が高まってきた。やれやれである。
 南光坊の御本尊は大通智勝(だいつうちしょう)如来といって法華経に出てくる仏さまだそう。大三島の大山祇(おおやまずみ)神社の信仰に由来するらしい。我々も今回、しまなみ街道をバスで渡る「遠足モード」で大山祇神社を訪れる予定である。

 足を引きずって今治にようやくたどり着いて一句
 〈延命の 願いを笑う 墓の道〉
黒笹慈幾


菊間町にある太陽石油の石油精製所の脇を抜けて54番延命寺に向かう。今治市は巨大コンビナートや造船業の町であり、多数のお遍路札所を擁する町でもある。


コンビナートの裏手の地蔵堂の敷地内に作られた休憩所兼遍路小屋。暑さの厳しくなるこれからの季節、お遍路さんに涼しい木陰をお接待してくれるだろう。


遍路小屋の内部。布団も用意されていて泊まることができる。こんな楽しい雑誌も、ひょっとすると常備品かも(笑い)。


足の調子もイマイチなのに延命寺まではまだ10km以上もあることを突きつけてくれた親切な標識。トホホ、親切はときに迷惑なこともある(なんのこっちゃ)。


手書きの案内板付きの親切な無人お接待所。菩薩の道場である愛媛、伊予柑の里らしい風景。


ファミレスの「ジョイフル」は、歩き遍路さんのオアシス。朝早くから開いているし、日替わりランチも安くておいしい。本日のメニューはごらんの「和風ハンバーグプレミアムソースがけ」。長居をしても文句を言われないので、我々もときどき遍路中の原稿執筆に使わせていただいている。サンキュー!


54番札所の延命寺は本堂の屋根を改修中。ごらんのように工事用シートにすっぽり包まれていてがっかり。足を引きずってやっとたどり着いたのに、遍路気分が盛り上がらない。


延命寺から南光坊に向かう遍路道は広大な墓地の真ん中を通過する。念入りなことに墓石の展示場もある。黒ちゃんにこの墓石。似合います?


今治市内の中心部にある55番札所・南光坊の立派な山門。この門前に立って初めて松山市から今治市まで、筋肉痛を抱えながらようやくたどり着いた実感がこみ上げてきた。


山門内におさめられた四天王のひとり多聞天の凛々しいお姿。黄金の甲冑がピカピカ光っている。この微妙な表情、黒ちゃんには筋肉痛をこらえているように見えたのは気のせいか。


今治滞在二日めの夜遍路は、焼き鳥店「鳥林」に。このお店、竹内記者が命名した今治における「焼き鳥四天王」店のひとつ。写真の鳥皮でまずは生ビール。


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