Let’s go o-henroad! 「お遍路ードプロジェクト」について

55日目「峠では「なごり雪」のサプライズが待っていた」(2015年3月7日)

歩数 25124歩
距離 18.0km
消費カロリー 920kcal

 昨晩の2番町の夜遍路は楽しかった。夜11時前にホテルに帰ってきたのだが、楽しさの余韻がまだくすぶっていた。「もう一杯やってから寝ようか」ということになり、ホテル最上階のバーへ。竹内記者はアイラモルトの「ボウモア」ストレート、黒ちゃんはカルバドス・ベースの赤いカクテル「ジャックローズ」を頼んで、明日からの歩き遍路の予習をした。
ふたりとも仲良く花粉症患者なので、明日の三坂峠イッキ下りの際の「鼻水対策」が喫緊の課題であることを改めて確認して解散した。

 翌朝8時10分、待ち合わせ場所のホテルロビーに降りていくと、すでに竹内記者はマスクにゴーグルの完全武装スタイルで待ち構えていた。今日は荷物をホテルに残しての「空身遍路」である。一方の黒ちゃんはといえば、これまた全く同じ物々しいスタイル。お互い昨晩の予習が効いている。これがテストならば満点である。
 しかし。アウトドア系のスポーティなお遍路スタイルにマスクとゴーグルという格好は、どう見ても怪しい。上品なシティホテルのロビーにまったく似合わないので、そそくさと大街道のバス停に向かった。我々の乗るバスは大街道を8時23分に発車する「落出」行きである。
前回のお遍路の最終地点である久万高原町・久万中学校前までこのバスで戻り、そこから国道33号線を歩いて三坂峠まで登り、昔からのへんろ道をイッキに浄瑠璃寺まで転がり落ちる、いや下り降りる20km弱が本日の行程である。

 三坂峠までは約2時間、浄瑠璃寺まではさらに3時間、計5時間を目安に歩き始める。ところが峠までの登りで、マスクをしたままではゴーグルと眼鏡が使えないことが早くも露呈した。曇って前が全く見えない。平地を歩くのと違い急な登り勾配では吐く息の量が違うのだろう。
やむなくマスクを外すと今度は鼻水がジワリジワリと鼻孔の中に溜まってきて、ついにはツツーっと落ちてくる。「これはたまらん」再びマスクをし、メガネとゴーグルなしの視界不良モードのままなんとか三坂峠にたどり着いた。
 ここからは車道を離れて足元が悪い急な下りの遍路古道に入る。さあてどうしよう。マスクをすればメガネとゴーグルが使えず、逆だとマスクが使えない。まるでハムレット、「視界を守るか、鼻水を防ぐか、それが問題だ」なんちゃって。

 おまけに三坂峠を下り始めてすぐチラチラと雪が舞い始めた。1月、2月の遍路ではずいぶん雪に悩まされたが、さすがにもう大丈夫だと思っていた。またまたお大師さまはとんでもないサプライズを用意していたというわけだ。
 伊予路に入ってからは峠越えの連続だった。苦しいけれど達成感もある。だから黒ちゃんは最近「峠越えは歩き遍路のスパイス」だと思えるようになった。この三坂峠から先しばらく峠はない。だからこの雪は峠越えを惜しむ「なごり雪」という演出であろう。お大師さまは油断のならないお人である(笑い)。

 さて。三坂峠の頂上で「マスクか、眼鏡&ゴーグルか」の究極の選択を迫られたハムレット黒ちゃん、雪も降ってきたし足元の悪い急坂を安全に下らなければいけないので「視界確保」を優先した。その結果、鼻水まみれのトホホな状態で午後1時半に浄瑠璃寺に到着することになった。「鼻水へんろ」って春の季語にあったっけ?

 浄瑠璃寺の納経所ではくしゃみを抑えるのに必死で、300円の納経代を納めるのをあやうく忘れそうになった。明日もまた「鼻水へんろ」では困る。早急に効果的な花粉対策をせねば。
そういえば竹内記者はずっとマスクをしたまま歩いていた。黒ちゃんと同じ眼鏡&ゴーグル派なのにどうしてだろう。不思議である。じつはその理由、ホテルに帰ってから判明したのである。以下、浄瑠璃寺の様子とあわせて明日書きます。

 トホホの鼻水へんろから戻って一句
〈花粉症 お大師さまは どうしてた〉
黒笹慈幾


ホテル最上階のバーでジャックローズを飲みながら明日の遍路の予習。都市型遍路って結構ステキです。


三坂峠の道標。高知からくる国道33号線とはここで別れて、土佐街道とよばれた遍路古道に踏み込む。


三坂峠直下のへんろ道から下界を望む。標高差700mをこれから一気に下る。


急な三坂峠の下りをなんとかクリアしてひと息ついたあたりの道標。愛媛に入ってから遍路古道の標識はだいたい500m間隔で頻繁に現れるので、道に迷う心配がない。お遍路のインフラとして道標は大事。高知も見習いたい。


三坂峠から1時間半くらい下ったところにある遍路宿の「坂本屋」。今は営業していないが、土日にはお接待があるらしい。


この赤い看板を見たら見過ごせなくてつい立ち止まってしまったハマちゃんこと黒ちゃん。標識の上手に手ごろな大きさのため池があり、小鮒や鯉が釣れそうだった。竿がないのでこれじゃあお手上げという表情をしてます。


第46番札所・浄瑠璃寺の近くのへんろ道にはもう梅の花が咲いていた。これから本格的なお遍路のシーズンが始まる。


浄瑠璃寺の参道。小ぢんまりしているが雰囲気のあるアプローチ。


第46番札所・浄瑠璃寺本堂。正式には医王山養珠院浄瑠璃寺。和銅元年(708年)行基の建立と伝えられる。


御本尊の薬師如来、脇侍の日光、月光菩薩、眷属の十二神将も行基の作といわれる。


大師堂の前に張り出したミツマタの木。その枝には小さな黄色の花が春の到来を告げていた。


<<前の日へ      次の日へ>>