Let’s go o-henroad! 「お遍路ードプロジェクト」について

33日目「伊与野川の沢音をBGMにどぶろくの里に入る」(2014年10月22日)

歩数 30666歩
距離 22.0km

 甲高い船のエンジン音で目が覚めた。いつの間にか窓の外が明るい。枕元の腕時計を見ると6時半である。宿の2階の部屋の窓を開けると、すぐ前の桟橋から宿毛湾で釣りをする遊漁船1隻がちょうど出航するところだった。
 黒ちゃんの泊まっている小筑紫の「大島屋旅館」はもともと「大島座」という映画館だったものを旅館にしたのだそうだ。確かに旅館にしては建物の骨格も内部の造作も大ぶりである。ご主人の大島康宏さんによると、往時は小筑紫に映画館が2軒もあったというから、今は落魄気味のこの町にも華やかな時代があったのだ。タイムマシンでその時代に飛んでいきたい衝動に駆られた。そのころの宿毛湾で釣りがしたかったなあ、と(笑い)。

 その宿毛湾で昨日の午後、はからずも大物釣りのドラマを体験することになった。昨日のこのブログで、防波堤の小物釣りのエサを買いに立ち寄った中村釣具店の「釣りバカ店主」中村修さんと意気投合したと書いた。そのあと「今日の午後、オレの船で大物を釣らせてやるけど行くか?」というようなステキな展開となって、結局、竹内記者と黒ちゃんはお遍路の格好のまま船に乗り、宿毛湾のど真ん中で大物釣りに挑戦する幸運を手にしたのである。
 釣りバカ店主・中村さんの狙いは、ネイリ(カンパチの子)とハマチ(ブリの子)。生きた小アジを泳がせて、それを丸呑みにする大物を釣るのである。仕掛けのディテールは敢えて秘すが、黒ちゃんの予想を覆す豪快な釣法であったとだけ書いておこう。
 結果は、大物のアタリが4回。切られたり外れたりで実際に取り込めたのはネイリの40cm級が1尾のみだった。それでもヒラアジやイトヨリ、サゴシ(サワラの子)などの型のいいものがボチボチ釣れて、お遍路の途中の「お遊び」としては望外の楽しい釣りになった。釣りバカ店主の中村さん、お世話になりました。また遊びましょう。

 さて。今日の行程は10月のお遍路ードの中では1日あたりの最長ルート、小筑紫→三原村間の20km超である(普通のお遍路さんには笑われちゃう距離ですが)。朝8時40分に宿をスタート、国道321号線を宿毛方向に進むとすぐ、→三原村の看板が出て右折する。ここで、昨日の午後楽しく遊ばせていただいた宿毛湾とは、しばしお別れである。「サンキュー、また会おうぜ」ってな気分でしょうか。ここからは伊与野川に沿ってクネクネと三原村まで延びる県道46号線をひたすら進むルートになる。
 途中、災害復旧の工事現場に遭遇するも、なんとか歩き遍路の通行手形を見せて恐縮モードで通してもらう。水の匂い、野鳥の声、色づき始めた広葉樹の葉を愛でながら緩い登り勾配の山道を歩く。耳には絶え間なく伊与野川の沢音が飛び込んでくる。渓流釣りが大好きな黒ちゃんには、この自然のBGMがなんとも心地よい。毎度のことだが、お大師さまの用意するサプライズ演出には頭が下がるばかり。ありがたいことである。
 伊与野川の分水嶺を越えてから約1時間歩き、午後2時過ぎにどぶろく特区・三原村にある本日の宿、農家民宿「森本まる」に到着。今晩のどぶろくの晩酌が楽しみである。
黒笹慈幾




釣りバカ店長、中村さんの船で小筑紫沖に出た。お遍路さんが宿毛湾で釣りをすることはまずないだろうと思うとなんだか誇らしい気分。(なんのこっちゃ)


アジを泳がせていると、突然グイグイと竿を絞り込んだのがこのネイリ。釣りたてのぷりぷりの身を刺身にして美味しくいただきました。


出発の前に大島屋旅館の目の前にあった天満宮にお参り。埋め立てる前はここは島だったという。


天満宮の境内から見下ろした小筑紫の集落。小さな船溜りを囲むようにして民家が密集する。


小筑紫の大島屋旅館のご主人、大島康宏さんと記念写真。後ろの建物が元映画館だったという。


伊与野川沿いの集落の生け垣に咲いていた朝顔。朝の光を浴びて赤紫色に輝いていた。


伊与野川の河川敷を埋め尽くす黄色いセイタカアワダチソウ(たぶん)。紅葉直前で彩りの乏しい山里を華やかに演出しています。


お腹が減ったので、三原村に入ったところにあった最初の店「にいや商店」でお湯をもらってカップラーメンをいただく。ちなみにサッポロ一番みそラーメンでした。


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