Let’s go o-henroad! 「お遍路ードプロジェクト」について

31日目「柏島から遣唐使船に乗る」(2014年10月20日)

歩数 17297歩
距離 12.4km

 柏島の宿「山文」で朝5時に目が覚めた。昨夜は黒潮実感センターの神田さんも加わって、竹内記者が晩飯前に釣ってきたヤリイカの刺身を肴にビールを飲んだ。釣りたてのヤリイカの味は格別で、釣りバカ街道まっしぐら中の竹内記者株が大いに値上がりした。アオリイカ狙いでヤリイカを釣ってくるところも愛嬌があってよい(笑い)。一方、アオリイカ狙いでヤリイカを釣らずにボウズ(釣果ゼロ)で帰ってきた黒ちゃん、こちらも潔くてステキだと思う(負け惜しみデス)。

 6時前、窓の外が明るくなってきたのを確認、竿を持って宿を出た。昨晩とおなじ防波堤の先端から餌木(えぎ。アオリイカを釣るルアー)を投げるが、昨晩同様反応はない。週末とあって磯釣り師を満載した瀬渡し船が元気なエンジン音を轟かせて次々と出港していく。いよいよ磯のグレ(メジナ)釣りシーズンが始まったのだ。1時間ほど粘ったがアオリもヤリも遊んでくれない。キャスティングに失敗して餌木をひとつ失くしたところで、朝飯前の釣りは終了となった。

 ところで、黒ちゃんと竹内記者が柏島に来たのは釣りをするためではなく、お遍路を再開するためである(笑い)。いつまでも釣りのことばかり書くわけにもいくまい。そろそろ遍路モードに頭を切り替えることにする。本日の行程は柏島から大月町の役場がある町の中心部、弘見までだ。弘見から先は宿毛市小筑紫で海岸線を離れ、三原村→平田→延光寺→宿毛市街という遠まわりルートを考えている。どうしても三原村に寄りたい「ある事情」があるからだが、そのことはいずれ明らかになる。
 さて、問題は今日の弘見までのルートをどうするかである。先月、周防形から大堂を経て歩いてきた道を途中までそのまま引き返すか、柏島→一切→安満地→橘浦→泊浦と海岸沿いの港を各駅停車でたどって弘見に入るか、いろいろ考えてみた。できれば一筆書きで歩きたいので「途中まで逆戻りルート」は捨てた。海岸沿い各駅停車ルートは、竹内記者と決めた「1日20kmまでルール」を考えると無理があるのでこれも捨てた。
 結局、柏島から船で竜ケ迫(たつがさこ)まで渡り、そこから陸路弘見に入るというとんでもルート(竹内記者のコメント)を考えついた。先月のこのブログで、沖ノ島のアカバ(アカハタ)釣りで船酔いをして、遣唐使船で東シナ海を渡った空海の難儀を思ったということを書いたが、そのとき「現代の遣唐使船」という手を思いついたのだ。柏島から弘法大師空海と一緒に遣唐使船で竜ケ迫に渡る…。なんてステキなアイデアなんだ(自画自賛)。竜ケ迫では知り合いのおじいちゃんが私の大好きなスイーツ「ひがしやま」を作っている。海から訪ねて驚かしてやろうというおまけ付きだ。

 柏島からの船の足は、黒ちゃんの知り合いで宿毛で渡船業を営んでいるAさんにお願いして、ふだんは鵜来島(うぐるしま)→片島港のダイバー船のルートを、鵜来島→柏島→竜ケ迫→片島港と変更してもらうという荒ワザで確保した。昼過ぎに柏島漁協前の桟橋で待っていると、沖からキャビン付きの豪華クルーザーが入港してきた。船名を見ると「シーホース」とある。これが我々を竜ケ迫まで運んでくれる現代の遣唐使船である。
 遣唐使船にはダイビング帰りの若い女性たちがたくさん乗っていて、途中乗車の変なお遍路さん二人組を大歓迎してくれた。空海のときはこんな歓迎はなかっただろうから、素直にうれしい。竹内記者も鼻の下をのばしている。Aさん、いろいろお世話になりました。このお礼はまたどこかでさせていただきます。

 竜ケ迫の港までは20分あまりで到着。大月町竜ケ迫は急斜面に段々芋畑が広がる小さな集落だが、干し芋の高級ブランド「ひがしやま」の発祥の地として知る人ぞ知る「スイーツの聖地」である。甘いものに目がない黒ちゃんはこの「ひがしやま」は高知が全国に誇る価値のある完全自然食品だと声を大にして叫びたい。
 竜ケ迫で知り合いの、ひがしやま生産者のおじいちゃんに挨拶をして、宿毛湾を左に見ながら弘見までの道を歩き始めた。結局、10月のお遍路ードの第一歩は、柏島ではなく竜ケ迫から踏み出したということになる。弘見までは約8km、2時間弱。お遍路の初日としてはちょうどいい足慣らしである。
黒笹慈幾




竹内記者の晩飯前のひと仕事が刺身になって夕膳に。アオリイカの予定がヤリイカになったが、釣りたてのイカはなんでも美味しい。釣りたてのイカに貴賤はない。


このシーズンの柏島はダイビング客で大忙し。桟橋はタンクとダイバーを満載した船の出入りラッシュである。手前の黒ちゃんのお遍路装備とのミスマッチがなんとも愉快である。


現代の遣唐使船の外観。ご覧の通りの豪華大型クルーザーである。ダイバーや釣り師をポイントに早く運ぶ必要があるので大型エンジンを積んでいて船足も抜群に速い。船名は「SEA HORSE」。タツノオトシゴで竜ケ迫上陸、なんちゃって。


現代の遣唐使船の中は空海の時代とちがい快適である。


現代の遣唐使船シーホースの船長、三浦純さん。柏島から竜ケ迫まであっという間に運んでくれました。名前に似合わず(失礼)、コワモテの雰囲気ですが、じつは明るいキャラでした。純ちゃん、お世話になりました。鵜来島に釣りに来たときにまたお世話になります。


遣唐使船の中は、若い女性ダイバー軍団ではち切れんばかり。お大師さま、黒ちゃんたちだけこんなにステキな遣唐使船に乗っちゃって申し訳ありません。


海から眺める竜ケ迫の集落。急斜面にへばりつくように人々の生活がある。


竜ケ迫で「ひがしやま」を生産している福島さん。福島ブランドの干し芋は市場での評価が抜群。スイーツ好きの黒ちゃんもぞっこんです。


大月町はサツマイモ畑があちこちにある。みんな「ひがしやま」に加工されて出荷されるのだろうか。


庭先で井戸端会議中の熟女軍団に捕まった黒ちゃんと竹内記者。若い女性ダイバー軍団は華やかで、こちらは賑やか。なんちゃって。


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