Let’s go o-henroad! 「お遍路ードプロジェクト」について

22日目「☆☆☆☆☆の遍路小屋で、ステキな歌声を聞いた」(2014年7月23日)

歩数 18072歩
距離 13,0km

 それを聞いたのは、足摺東海岸の窪津から津呂(つろ)に抜ける県道27号線のすぐ脇に作られた「へんろ小屋」のベンチに寝そべってウトウトしている時だった。高くて強くて、そして特徴のある鮮やかなリズムの口笛。じつはそれは口笛ではなくて、野鳥のさえずりなのだが。野鳥愛好家の間で「月日星ホイホイホイ」と聞きなし(鳥の声を人間の覚えやすい音に翻訳すること)されるサンコウチョウ(三光鳥)の歌声である。ナマで聞くのはずいぶん久しぶりだ。
 私の友人で土佐山に住む野鳥写真家のWさんによると、かつては高知の森(とくに杉林)にたくさんいた黒くて尾の長い、目のまわりとくちばしがコバルト色の美しい夏鳥(夏に日本に渡ってくる渡り鳥)で、その美しい歌声もよく聞けたそうだが、最近はめったに出会えなくなったという。
 そういう大変に希少な野鳥の歌声を、黒ちゃんはお遍路の途中、居眠りしているときにもったいなくもBGMにしちゃったのである。こんなに贅沢な居眠りは世界中さがしてもまずないであろう(根拠はありませんが)。これも酷暑の中、まじめに尺取り虫遍路をしている黒ちゃんと竹内記者に対する大師さまのご褒美でしょうか、ありがとうございます。

 ところで、へんろ小屋というのは、お遍路さんのために地元の篤志家などが建てた無料の休憩場あるいは宿泊所のことをいう。ここまでの22日間の歩きで、宿泊も可能な本当の意味でのへんろ小屋は、須崎市と中土佐町、四万十町に各1つずつあったと記憶しているが、その中で津呂のへんろ小屋は間違いなく五つ星級の最高グレードの小屋だ。扉付きの寝室に、携帯電話の充電器、洗濯機、さらに談話室、渓流の上に突き出したウッドデッキまで完備している。  
おまけに、小屋の下の沢を抜けてくる冷たい風のおかげで、小屋の中や周辺は炎天下の県道沿いとは思えないほど涼しい。各種サービスが揃っていて、エアコンがきいている。なんてステキなへんろ小屋なんだ。ミシュランには載っていないが、足摺東海岸ルートをたどる歩き遍路さんは、ぜひ立ち寄って欲しい☆☆☆☆☆へんろ小屋である。

 さて。通算22日目のお遍路ードは、窪津で民泊させていただいた形岡さんのお宅を9時過ぎに発った(出発が遅くなったわけは、高知新聞の竹内記者の記事を読んでください)。途中、津呂のへんろ小屋で長い休憩をとった後、12時半に足摺岬に到着。38番札所金剛福寺の門前の食堂で黒ちゃんはカツ丼、竹内記者はカツカレーで燃料補給をしたのだが、連休明けの食堂はひっそりとしていてランチタイムなのに客は私たちだけだった。
 足摺スカイラインの入り口まで急な坂を登り、汗びっしょりになって本日の宿の「足摺テルメ」に到着したのは1時半だった。それにしても「どこにこんなに汗を貯めてたんだろう」と思うくらい汗をかいた一日だった。「夏の歩き遍路はサウナいらず」なんちゃって。

 明日は、早朝に金剛福寺にお参りして本当に久しぶりの納経をすませ、7月のお遍路ードの終着地、土佐清水の街を目指します。
黒笹慈幾




昨日の夕方、下ノ加江からようやく目的地の窪津に着いたときの様子。窪津でいちばん派手な建物、大漁屋の前でひと休み。釣り好きの黒ちゃんにはたまらない屋号です。


民泊をお願いした形岡家のおかあさん。晩ご飯用に大漁屋で仕入れてきた特大アサヒガニをこれから茹でてくれます。


形岡のおかあさんが作ってくれた作晩の夕食。心がこもっていて涙がでそうになりました。ハガツオの刺身、アジの南蛮漬け、アサヒガニの塩茹で、かき揚げ、かぼちゃの煮物。


早朝の窪津港内でカマス釣り。形岡のおとうさんの釣り仲間たちも来ていて、朝の挨拶と「きょうはなかなかええで」の歓声が防波堤の内側に響く。


民泊を引き受けてくださった形岡家の、おかあさんとおとうさんと記念撮影。いろいろお世話になりました。また遊びにきますね。


歩き遍路のために整備された「足摺へんろ道」から窪津の港を見下ろす。


気持ちのいい場所を見つけたときの黒ちゃんお決まりの「涅槃ポーズ」。五つ星へんろ小屋の前でまたまた出てしまった。


へんろ小屋の内部。利用料、休憩料タダだけでなく、歩きお遍路さんにはうれしい各種サービスつき。


津呂のへんろ小屋にはこんなステキなウッドデッキも完備。足元の沢から上がってくる冷気が気持ちいい。


とうとう着いた足摺岬。足摺名物のジョン万の銅像。


お遍路さんとはどうもミスマッチなイメージがあるリゾートホテルの「足摺テルメ」。デザイナーテイストの白い客室とお遍路道具は、こんな風に写真におさまると、結構相性がいい感じ。


夜は土佐清水市の泥谷市長も加わって本音続出の「お遍路ードおきゃく」となった。ふたりともいい感じで酔っていますね。




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