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2023.04.05 08:38

牧野ブーム 関連本続々 新刊・復刊・再版、雑誌特集 高知県内書店でフェア

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牧野富太郎博士の関連本がそろうコーナー(高知市の金高堂書店本店)

牧野富太郎博士の関連本がそろうコーナー(高知市の金高堂書店本店)

 佐川町出身の牧野富太郎博士をモデルにしたNHK朝ドラの放送に合わせ、関連本の新刊や復刊、再版が相次いでいる。日本の植物分類学を切り開いた博士の型破りな人生を描いた小説や評伝、植物画・標本を載せたビジュアル本のほか、雑誌の特集なども。県内書店では牧野コーナーが設けられ、ブームの盛り上げに一役買っている。

 博士は佐川で酒造業などを営む裕福な商家に生まれながらも、小学校を中退して植物研究の道へ。「日本植物学の父」と呼ばれるようになるが、研究に没頭するあまり多額の借金を抱え、妻の寿衛(すえ)が必死に支えたことでも知られる。

 その破天荒な人生を描いた評伝の一つが「らんまんの笑顔『人間・牧野富太郎』伝」(集英社)。土佐史談会の谷是(ただし)さん(高知市)が土佐弁丸出しで語った内容を、出版プロデューサーの谷村鯛夢さん(室戸市出身)がまとめた。借金苦や学界との対立といった困難に見舞われても、協力者が次々と現れるという、愛すべき天才の原点が土佐のいごっそう気質にあると説く。

 かつて県立牧野植物園に在籍し、「らんまん」の植物監修を務める国立科学博物館の研究者、田中伸幸さんの新著「牧野富太郎の植物学」(NHK出版)は、植物学に初めて触れる人にも博士の業績を分かりやすく解説した一冊。びわこ学院大学短期大学部教授の光川康雄さん著「牧野富太郎 草木を愛した博士のドラマ」(日本能率協会マネジメントセンター)は晩年、病に伏した博士に昭和天皇からアイスクリームが届いたといった逸話を数多く紹介する。

 自伝的エッセー「草木とともに 牧野富太郎自伝」(角川ソフィア文庫)、故大原富枝さん(本山町出身)が博士と寿衛の夫婦関係を軸に描いた小説「草を褥(しとね)に」(河出文庫)など文庫本化の動きも活発だ。

 雑誌も特集を組む。月刊誌「ユリイカ4月号」(青土社)は「牧野富太郎の世界」と題し、作家のいとうせいこうさんと京都大学准教授の藤原辰史さんの対談や、高知市出身のミュージシャン、七尾旅人さんの寄稿などを掲載。「別冊太陽 牧野富太郎 雑草という草はない」(平凡社)は、博士の繊細で美しい植物画や標本など豊富な図版でその生涯をたどる。

 関連本の中でも、直木賞作家の朝井まかてさんが博士の生涯を描いた小説「ボタニカ」(祥伝社)は昨年1月の発売以来、県内の多くの書店でロングセラーになっているという。

 金高堂書店本店(同市帯屋町2丁目)は「らんまん」のポスターを入り口付近に張り、牧野博士フェアを実施。「ドラマを機に偉業を知ってほしい」と担当者。TSUTAYA中万々店(同市)は、四国の山々や高知の植物の本を関連本としてそろえ、「山歩きなど高知の自然も楽しんで」と相乗効果を期待している。(村瀬佐保)

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