2024年 04月25日(木)

現在
6時間後

こんにちはゲスト様

高知新聞PLUSの活用法

2023.03.21 08:37

四万十川アオサノリ連年大不振 葉が育たず、漁協「養殖の存廃危機」

SHARE

アオサノリが生育しないまま収穫期を迎えた養殖場(写真はいずれも四万十市下田の竹島川)

アオサノリが生育しないまま収穫期を迎えた養殖場(写真はいずれも四万十市下田の竹島川)


 四万十市下田の四万十川河口域で養殖されるアオサノリ(ヒトエグサ)が今季、全く収穫できない状況に陥っている。収穫期を迎えても葉が生育しておらず、昨年に続いて収量ゼロとなる見通し。養殖業には二十数軒が従事しているが、四万十川下流漁協は「産業として消えかけている」と危機感を募らせている。

胞子は網に定着したものの、葉は成長していない

胞子は網に定着したものの、葉は成長していない

 アオサノリは四万十川と竹島川が合流する河口付近で養殖。秋に胞子を定着させた網を張り、翌年2~5月ごろに成長した葉を収穫する。つくだ煮や天ぷらは四万十川を代表する味として人気が高い。

 市のまとめによると、昭和期は同漁協取り扱い分の収量が20~40トン台に上る年もあったが、平成に入って低迷。2017年以降は10トンを切るようになり、昨年はゼロだった。同漁協の山崎明洋組合長(39)によると、今季は胞子が網に定着したものの葉が成長せず、収穫は見込めないという。

 また、近くで採取される天然スジアオノリも20年から収量がほぼゼロに。こちらも今季の収穫は見込めないといい、極度の不振が長引いている。

 高知大学の平岡雅規教授(55)=海洋植物学=は「スジアオノリは15度前後の低水温でよく成長するため、温暖化の影響が大きいとみられる」とする一方、沖縄でも多く養殖されるアオサノリはより高い水温を好むといい「温暖化による説明は難しい」。市農林水産課も「環境変動など複合的な要因と思われるが、解決策を見いだすのは難しい」と頭を抱えている。(福田仁)

高知のニュース 四万十市 水産・漁業

注目の記事

アクセスランキング

  • 24時間

  • 1週間

  • 1ヶ月